石川遼(30=CASIO)が6アンダー、66をマーク、今季6戦目で最高の3位スタートを切った。

前日25日のプロアマ戦を体調不良で欠場したが、合計17時間の爆睡で回復。18番パー5で今季2個目のイーグルを奪い、バーディーも5個量産した。今大会上位4人が得られる全英オープン(7月14日開幕、英国・セントアンドルーズ)出場権獲得にも前進した。T・ペクが8アンダーで首位に立った。

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かすれた声で、石川が話した。「必ずベストを尽くして、いい結果を出すつもりでプレーします」。1年以上前からのスイング改造、その過程での66。残り3日への意欲を問われた際の答えだが「ベストを尽くす」は、技術的理由だけじゃない。

23日の全米オープン日本地区予選は16位で落選したが、36ホールを完走した。疲労からか、前日25日のプロアマ戦を欠場。コースに来て練習場で数球打ったが、のどの痛み、ふらつきなどから欠場を決め、同組でプレー予定のゲストらに謝罪。病院で「咽頭炎」と診断された。

日本ゴルフツアー機構の規定上、プロアマ戦欠場者は原則本戦出場できないが、大会ディレクターに事情を説明。診断書を提出し、過去にも数例あったGOサインをもらった。

前日はとにかく寝た。病院から戻り、夕方まで7時間。夕食後に病院でもらった薬を飲んで、さらに10時間。「僕も最近、長時間眠れなくなっていて。こんなに寝たの記憶にない」。寝て回復した体力をコースにぶつけた。前半の18番パー5。残り225ヤードを4番ユーティリティーでピン奥1メートルへ。会心のイーグル後の後半、32と加速した。

今大会上位4人が手にする全英切符は欲しい。コースは“聖地”セントアンドルーズ・オールドコース。5度出場した全英で唯一予選通過したのが、同コース開催の10年。全英引退の可能性もあったトム・ワトソンと予選で回り、サインしてもらったグローブは今も宝物だ。

出してもらった大会のため、全英のため。石川がベストを尽くすことに変わりはない。【加藤裕一】