永久シード保持者の片山晋呉(49=イーグルポイントGC)が71で通算6アンダーとし、V戦線での予選通過を確実にした。

片山は「いや~難しい」とこぼした。風速7メートル超のコースで3バーディー、2ボギーのアンダーパー。「風対策? そんなの“お願い!”って、それしかないです」と笑う。コースが大の苦手。「8割ぐらいしか予選通過してない」というには大げさだが、同コース開催で過去8回出場して予選落ち3回、トップ10は13年の4位だけという実績は「どうやったってダメ」の証明かもしれない。

それが思わぬ優勝争いだ。癒やしのキャディーの存在が大きい。帯同するのは、昨年11月の女子プロテストに合格した桑山紗月(26)。知人の紹介で今オフの宮崎合宿をともに過ごし、彼女の経験にも、とバッグを任せた。

「おもしろいんですよ。上って下るラインとかあるでしょ? そしたら“私みたいですね”と。何でか聞くと“記事でぽっちゃり美人って書かれたんです”って言う。ぽっちゃりだけど、美人。それが上って、下るらしくて。昭和のおじさんにはわかんないです」

25歳差のジェネレーションギャップ、かみ合わない会話を楽しんでいると、コースの苦手意識も薄れるようだ。

今大会上位4人に入れば。セントアンドルーズ開催の全英切符が手に入る。13年全英を最後に合計29回出場したメジャーから遠ざかるレジェンドには、格好のにんじんと思えば…。

「セントアンドルーズ? 4人以上? 今、初めて知りました」。

もうレギュラーのメジャーに興味はほぼない。公言する目標は「米シニアツアー挑戦」だ。残り2日。「僕は彼女(桑山)のおしゃべり相手をするだけです」と欲を持たず、コースを歩いて行く。