<国内女子ゴルフツアー:NEC軽井沢72>◇最終日◇14日◇長野・軽井沢72北C(6679ヤード、パー72)◇賞金総額8000万円(優勝1440万円)◇有観客開催

プロ2年目、ツアー本格参戦1年目の岩井千怜(ちさと、20=Honda)が、02年度生まれで一番乗りとなる初優勝を飾った。首位タイから出て5バーディー、2ボギーの69と3つ伸ばして回り、通算13アンダー、203。同じく首位タイから出た吉本ひかるら1打差2位の6人を振り切った。昨年6月、双子の姉・明愛(あきえ)とともにプロテスト合格。双子がそろってプロという、史上4組目の姉妹となった。過去3組は優勝した例はなく、双子姉妹プロによる初の優勝となった。

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岩井姉妹の家では「4つの教え」が大事にされてきた。姉妹が小学生時代に毎日、公務員の父雄士さんの言いつけで、2学年下の弟光太を含め、3人で声に出して言っていたのが以下。

(1)困っている人がいたら助ける。

(2)独りぼっちの子がいたら仲間に入れる。

(3)やられて嫌なことはしない。

(4)女の子と小さい子にやさしくする。

雄士さんは現在も「みんな、楽しそうにプレーしているのを見に来てくれているのだから」と、この考えを根底に、プロ活動することを望んでいる。正々堂々と戦い、ファンを大切にする。そんなプロになってほしいと願う親心を理解し、岩井千はこの日「ここからどうやって打つんだろうと、想像できないような場面で、逃げるのではなく、怖がらずにピンを狙った」と、常にファン目線に立ったプレーを選んだ。優勝に際し、多くのボランティアスタッフが駆けつけ、一段と大きな拍手に包まれたのも、当然だったのかもしれない。【高田文太】

▽53位に終わったが、妹の優勝に涙を流して喜んだ岩井明愛 感動しました。本当に優勝は夢だったから。一番身近な人が優勝して、本当にすごいと思った。自分も追いつけるように優勝目指して頑張りたい。(優勝は)したいけど、一番は自分のプレーに集中して、結果を気にせずやっていきたい。

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