日本人37年ぶりの全米女子アマ選手権覇者・馬場咲希(17=代々木高2年)の凱旋(がいせん)初日は4オーバー、76の91位だった。

初体験の大ギャラリー約300人を引き連れて感激しながら、バーディー1個で5ボギー…。ドライバー平均飛距離も251ヤード、108人中34位と振るわず、第2日のチャージで予選通過を目指す。ミレニアム世代の後藤未有(21)が7アンダーで首位に立った。

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馬場は感激していた。

「本当にすごく楽しかったです。こんなにたくさんのギャラリーの前でプレーするのは初めてでした」

一方で落胆した。

「スコアはすごく悔しいけど…」

午前7時50分、アウト3組目という早朝スタートだったのに、約300人ものギャラリーが見守ってくれた。同組に黄金世代の原英莉花、今季2勝の岩井千怜と人気の2人がいたこともあるが、大群衆が残暑厳しいコースをついて回ってくれた。

だからこそ、全米女子アマ覇者の力を見せたかった。

好調時なら270ヤードを誇るドライバーショットが振るわない。この日の数値251ヤードは出場108人中34位。何より曲がった。パー3を除く14ホール中、フェアウエーキープは4ホールだけ。

「全米女子アマの時と調子は少し違うけど、この試合に向けて調整したことが出せなかった」

持ち球はフェードだが、右に滑ったり、つかまって左に突き抜けた。最終18番パー4はフェアウエーウッドで完全に引っかけ、左の池へ。最後は2メートルを沈め、ナイスボギーで切り抜けるのが精いっぱいだった。

同組の原は理想像だ。「飛距離が出て、高い球でグリーンに止める。自分が目指すようなゴルフ」。原は腰痛を押して3アンダーを出した。勉強になった。

このままじゃ終われない。過去2度のツアーは第1R85位、82位から巻き返し、予選突破。17日の第2R後にあるJLPGA公認ドラコン大会出場は見合わせた。

「気持ちを切り替えて、迷わないプレーがしたいです」

午後6時10分過ぎ、ボールが見えなくなるまで練習グリーンで最後まで居残って練習した。チャージをかけ、予選通過あるのみだ。【加藤裕一】