昨年優勝の勝みなみ(24=明治安田生命)が3位に浮上し、史上3人目の連覇に大きく近づいた。19位から出て3バーディー、1ボギーの70。この日5人しかいないアンダーパーで2つ伸ばし、通算1オーバー、217で首位の申ジエ(韓国)と3打差の逆転圏内につけた。連覇を果たせば樋口久子、畑岡奈紗に次ぐ快挙。プロレスファンで、ホールアウト後には亡くなったアントニオ猪木さんのように、業界を引っ張る存在になることを誓っていた。

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等身大の言葉で、勝が故人を悼み、同時に決意表明をした。ホールアウト後、猪木さんの訃報について問われると「ビックリしました」と第一声。スタート前に、すでに情報は得ていたという。続けて「(猪木さんが活躍した)その時代は知らないんですけど、プロレス人気をつくって保ってきた方。すごいです。あそこまでは難しいかもしれないけど、将来、団体を盛り上げられる人になりたい」と、業界は違えど遺志を悟り“闘魂継承”を誓った。

数々の伝説を持つ猪木さんに近づく第1歩へ、国内最高峰の舞台で3人目となる連覇を射程にとらえた。2番パー4で第2打を2メートルにつけてバーディーを先行させると、その後は8連続パー。「粘っていれば上位に行ける」。一時の人気低迷を脱し、勝のような若い世代のプロレス人気再燃を支えた故人。そんな猪木さんの人生をたどるように、19位から出てしぶとく我慢を続け、3位に浮上した。

今大会は2年前から続いた観衆の入場制限がなく、この日は今季最多の7914人が集まった。注目されるほど力を発揮する点も故人と重なる。「連覇というよりも挑戦者の気持ち」。貪欲さも失っていない。勝ち方を知る勝が、頂点を見据えた。【高田文太】

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