今季ツアー4勝の比嘉一貴(27=フリー)が初の賞金王に輝いた。37位で獲得賞金額を1億8004万1233円とし、賞金ランク2位の星野陸也が8位に終わったため、最終戦の日本シリーズJTカップで逆転される可能性がなくなった。昨季賞金王のチャン・キム(米国)がツアー新記録の通算32アンダー、256で、約1年ぶりVとなるツアー通算8勝目を挙げた。

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国内男子ツアー史上最も小柄な158センチの賞金王が誕生した。比嘉は「肩の荷が下りた。うれしいより安堵(あんど)感が強い」とホッとした表情を見せた。

元賞金王の片山晋呉ら先輩の姿勢をヒントに練習を見直した。「息の長い選手はそれなりに理由がある。何よりゴルフを楽しくやっている」。今季は試合前後の練習を減らした。練習の虫だけに「最初は不安だった」と振り返った。「月曜日にクラブを握らない時間も大事にした。常に120%でガムシャラにやってきて、力尽きてもおかしくない状態だった。体の負担が減り、大きなけがもなくできたことは良かった」。さらに「月曜は家族と過ごしたかった」と話すなど、家族の存在も支えになった。

米ツアー予選会挑戦を見送った上での賞金王獲得。「機会があれば、海外ツアーに積極的に挑戦したい」と今後の目標も挙げた。

◆比嘉一貴(ひが・かずき)1995年(平7)4月23日、沖縄県生まれ。沖縄・本部高で宮里3きょうだいの父優さんに師事。東北福祉大卒。17年プロ転向、19年KBCオーガスタでツアー初優勝。20-21年シーズンの賞金ランク13位。158センチ、70キロ