12位で出た石川遼(31=CASIO)は、4バーディー、2ボギーの68と2つ伸ばし、通算4アンダー、136で8位に浮上した。首位で並ぶ8アンダーの小平智、ブラッド・ケネディ(オーストラリア)との4打差逆転、今季2勝目を目指して残り2日間に臨むことになった。

3番パー4で、やや下りの4メートルのパットを決めて最初のバーディーを奪った。6番パー5は2オンに成功。12メートルの下りのイーグルパットは、ピンをオーバーしたが、返しの1メートルのパットを沈めて2つ目のバーディーを奪い、2つ伸ばして折り返した。

後半は一進一退の展開だったが、17番パー5でバーディー、難関の18番パー3をパーでしのぎ、上がり2ホールで上昇ムードをつくり、第3ラウンドにつなげた。難コースでの前半2日間を終え「悪くはないと思います。ハマって波に乗っている感じではないですけど、自分のマネジメントがしっかりとできていますし。『後悔するなら練習するしかない』という感じしかなくて、メンタルのブレはなかったのでよかった」と、一定の手応えを感じている様子だった。

今大会は過去12度出場して2度優勝した。ツアー屈指の難コースの攻略法を知っているからこそ「あまり多くを望めない。ガンガン伸ばしたい気持ちはあるけど、そういう気持ちを抑えながら、今の状態に見合ったゴルフと攻め方をしないといけない」と力説。マネジメントや精神面の重要性を説きつつ、残る2日間で、ビッグスコアをマークできるチャンスが来ると信じて待っている。

この日早朝、日本が強豪スペインを撃破したサッカーW杯は「見てないです」と、テレビ観戦はしなかったという。ただし「朝イチから、すごく気になった。(結果を)見て、すごいビックリしましたし、普通に見たかったです(笑い)。普通に見たかったんですけど、ゴルフも好きなので。18ホールを最高に楽しむ準備をしました」と、試合に向けたコンディションづくりを優先し、泣く泣く観戦をあきらめたことを、笑い話にして明かした。

日本中が歓喜にわいている空気は感じた様子で「ラグビーの時もそうですけど、スポーツはすごい力があるなと。あれだけたくさんの方を感動させられる」と、しみじみと語った。

3週間前に約2年11カ月ぶり、30代としては初めての優勝を飾った。自身よりも年上で、サッカー日本代表DF長友佑都らが活躍していることについては「サッカー選手で(30代で活躍)というのは次元が違うと思う。ゴルフの35歳と、サッカーの35歳で第一線を張っているというのは次元が違う。あれだけフィジカルコンタクトがあるスポーツで。自分が悪くなくてもケガしてしまう可能性もある。ほんの一握りしかいない。本当に尊敬しかないですね」と、熱く語っていた。