2023年に活躍が期待される北海道出身の女子プロゴルファーの夢、目標は? 「道産娘プロ新春インタビュー」と題して抱負を聞いた。第2回は阿部未悠(22=ミネベアミツミ、恵庭市出身)。00年生まれでプラチナ世代の1人は昨季メルセデスランキング44位に入り、初のシード権を獲得。同世代に負けじと、まずは今季ツアー初優勝を狙う。【取材・構成=山崎純一】

初のシード権を獲得した阿部が、気持ち新たにツアーに挑む。昨季はメルセデスランキング44位に入り、同50位以内に入った選手に与えられるシード権を獲得した。まずは目標とする初勝利を目指す。

阿部 目標にしていたシード権を獲得できたというのは素直にうれしい。目標はまず初優勝。優勝争いに絡める試合、チャンスをどんどん増やしていきたい。

昨季35試合に出場した。開幕直前、ショットに悩みを抱えていたことから、周囲の助言も受けながら、球筋をこれまでの「ドロー」から「フェード」に変えるという大きなチャレンジをした。

阿部 最初の方は不安との戦いもあったし、慣れるまでも大変だったけど、今となっては変えてよかったなと思えている。

スイング変更で得た収穫は大きかった。手応えを感じた印象深い試合がある。5月のリゾートトラスト・レディースの最終日、12番で初のホールインワンを達成。5位タイでフィニッシュし、初のトップ10入りを果たした。

阿部 自分としてはあそこが流れが変えるきっかけになった試合だなというふうに感じている。

ティーショットの正確性も数字として残した。フェアウェイキープ率75・7576で10位。上位に食い込んだ。

阿部 フェアウェイキープ率を上げるというのが昨年の1つの目標だった。順位的にもいい位置で、数字的にもすごくよかった。球筋を変えて今でも少し逆球が出る時があるので、安定させられるように修正していけたらいいなと思う。

00年生まれのプラチナ世代で、同期には西村優菜(22=ツターツ)や吉田優利(22=エプソン)がいる。10月の富士通レディースでは最終日最終組でスタートも、同学年の古江彩佳(22=富士通)に優勝を譲った。昨年、米ツアーで初優勝した古江とのラウンドは阿部にとって大きかった。

阿部 優勝争いをして負けちゃいましたけど、強さというのを間近で見ることができた。すごく刺激になったし、私もいつかはアメリカで戦いたいなという気持ちはある。

7月には所属先の冠大会ミネベアミツミ・レディース北海道新聞カップ(札幌・真駒内CC空沼コース)も開催される。

阿部 初シードを獲得できた年なので、1打1打大切にホステスプロとして恥じない試合運びをしたい。今年しっかり優勝できるように頑張りたい。

飛躍の1年にすべく、まずは3月の開幕へ照準を合わせる。

◆女子ゴルフのプラチナ世代 00年度生まれ(00年4月~01年3月生まれ)が「プラチナ世代」と呼ばれる。日米9勝(アマ1勝を含む)の古江彩佳を筆頭に、日本ツアー6勝の西村優菜、同2勝の吉田優利らがいる。後藤未有、小倉彩愛も阿部と同様に今季初のシード権を獲得している。別名「ミレニアム世代」とも呼ばれる。

◆阿部未悠(あべ・みゆう)2000年(平12)9月27日、恵庭市生まれ。北海道教大札幌小4年でゴルフを始める。日本ジュニアには福岡・沖学園中3年から第一学院高3年まで4年連続で出場。21年プロテスト合格。家族は両親。血液型O。155センチ。