前週にツアー初優勝を飾った女子のゴルフの岩井明愛(あきえ、20=Honda)が、双子の妹千怜(ちさと)に続く史上4人目の連勝に挑む。国内女子ツアー、フジサンケイ・レディースは静岡・川奈ホテルGC富士(6457ヤード、パー71)で21日に開幕。20日のプロアマ戦後に取材対応した姉明愛は、目標に優勝を掲げた。

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歓喜の初優勝から4日が過ぎた。取材に応じた明愛は「あまり実感がない」とほほ笑んだ。

初Vを祝うLINEのメッセージは約170件届いた。中には「人生の大先輩」と慕う不動裕理からの祝福も含まれ、「うれしかった」と感謝した。ツアー通算50勝の不動には以前、優勝の秘訣(ひけつ)をたずねたという。返ってきたのは「最終日最終組の経験や、優勝争いの経験を増やしていけばチャンスはくる」との教えだった。明愛は「まさにその通りでした」とうなずいた。

今週は史上初の快挙がかかる。双子の妹千怜は昨季2勝。昨年8月、史上3人目となるツアー初優勝から2週連続Vの離れ業を演じた。明愛も2週連続優勝を果たせば史上4人目。双子としてはもちろん、姉妹として史上初となる。

明愛は「今週も優勝を狙いたい」と意欲をみせた。勝利を目指す一方で、2週連続Vについては「気にせずにやりたい。今週もがむしゃらに頑張りたい」と目の前のプレーに集中する構えだ。

千怜によると姉は、実は優勝する1週間ほど前にウクレレを購入。初勝利を挙げた日の夜にも弾いていたという。まだまだ初心者で上達はこれから。その腕前について妹は「(聴いていても)ちょっとつまんない。あんまり上手じゃない」と手厳しい。そんな評価をものともせず、姉は再び勝利の音色を響かせるか。

21日の第1ラウンドで、姉妹は同じ組で回る。埼玉栄高の先輩にあたる菅沼菜々も一緒となり、明愛は「チーム埼玉栄でうれしい」と心待ちにした。気心知れた組で、初日からスコアを伸ばしていく。【奥岡幹浩】

◆ツアー初Vから連勝 88年のツアー制施行後、初優勝翌週に2勝目を挙げたのは、90年の西田智慧子(24歳32日)、05年の表純子(31歳16日)、22年の岩井千怜(20歳47日)の3人。初優勝からの条件を除く2週連続Vは、17年の畑岡奈紗(18歳261日)、04年に2度達成の宮里藍(19歳1日、19歳337日)、22年の岩井千の3人が達成。3週連続Vは、07年の全美貞(韓国)と19年の鈴木愛の2人が達成。

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