2000年度生まれのミレニアム世代、吉田優利(23=エプソン)が3バーディー、4ボギーの73で回り、通算1オーバー、289で国内メジャー初優勝を飾った。21年9月以来の通算3勝目。昨季は5度の2位と、あと1歩で優勝を逃した。高校1年時から指導する辻村明志コーチ(47)が国内メジャー初制覇につながった、吉田の不屈の闘志を明かした。

昨年9月、愛知で開催された住友生命レディース東海クラシック。吉田は1打差で優勝を逃す。シーズンで5度目の2位。プレーを終えた直後、涙に暮れたが、少し冷静になると、携帯電話を握った。相手は千葉に拠点を置く辻村コーチ。「(午後)9時に行っていいですか」。大会会場の愛知から新幹線を乗り継いで千葉の練習場に直行すると、1時間ほどクラブを握った。

辻村コーチは言う。「悔しいまま、寝られないのでしょう。その悔しさが、練習でしか解決できないことを知っている」。高校1年の3学期から指導してきたが、悔し涙を流しながら練習する姿は何度も見てきた。「でも下を向くことは1度もなかった。(倒れない玩具の)おきあがりこぼしのように上がってきた」と振り返った。

国内メジャーを初制覇した教え子には「これからもっと努力しようね」と言葉を掛けるという。続けて「それをやっているうちは上に行けるから」と師弟共通の思いを口にした。