桜井心那(ここな、19=ニトリ)がツアー初優勝を飾った。通算10アンダー、278で並んだ桑木志帆(20=岡山御津CC)とプレーオフを制した。

プレーオフ2回目。約3メートルのバーディーパットを決めると、右手の拳を握りしめた。一方で敗れた桑木は号泣した。

19歳は「小さい時からの夢で目標。信じられない。本当にうれしい。そばで支えてくれた母、応援してれる家族、コーチ、キャディーに感謝したい」と目を潤ませた。ウィニングパットについては「あまり覚えてないが、自分を信じて打った」と話した。

第3ラウンド終了時点で、4打差以内に13人がひしめく混戦。桜井は首位と1打差5位から出た。同組の桑木に2打差をつけられた17番。「優勝するには連続バーディーしかない」と奮い立たせて、思い通りに追いつきプレーオフに持ち込んでいた。

第3ラウンドを終えた時点で首位に1打差5位と、絶好の位置につけていた。「優勝を狙える位置で最終日を迎えることが初めてなんですけど、あまり優勝を意識せず、1打1打集中して、もったいないことがないように集中してやれたら」と淡々と意気込んでいた。

同じ03年度生まれの「ダイヤモンド世代」では、尾関彩美悠、川崎春花、神谷そらに続き、4人目の優勝者となった。

18歳の昨季は国内女子下部のステップ・アップ・ツアーで5勝を挙げ、約2461万円を稼ぎ、賞金女王に輝いていた。

23年1月には台湾女子ツアーの開幕戦「日立レディースクラシック」でも優勝。得意クラブはドライバーで平均飛距離は240ヤードを誇る飛ばし屋で、この日のプレーオフでも飛距離を武器に、勝利を勝ち取った。

「将来はアメリカに行って、キラキラした世界で戦うことが目標。ここは通過点」と大きな目標を掲げた。

◆桜井心那(さくらい・ここな)2004年(平16)2月13日生まれ。長崎市出身。ゴルフは兄の影響で6歳から始める。長崎日大高出身。21年11月にプロテスト合格。ステップアップツアーで昨年5勝で賞金ランキング1位。今季からレギュラーツアーに本格参戦。ツアー5位につける約254ヤードの平均飛距離を誇る。今季ここまでの最高成績は5位(2試合)だった。ニトリ所属。166センチ、62キロ。

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