2003年度生まれ「ダイヤモンド世代」で、ツアー1勝のルーキー、神谷そら(20=郵船ロジスティクス)が逆転で国内メジャー初優勝を挙げた。首位に2打差3位から出て、5バーディー、1ボギーの68で回り通算12アンダーの276と逆転で優勝をつかんだ。

大会初出場初Vは第1回の68年大会の樋口久子、84年大会の黄ゲッキン

、14年大会の鈴木愛、19年大会の畑岡奈紗、22年大会の川崎春花の5人に続く史上6人目。20歳145日での優勝は、川崎春花(19歳133日)、鈴木愛(20歳128日)に続く大会3番目の年少記録となる。

最初の1番パー5で2オンに成功し、2パットでバーディー発進。4番でもバーディー。9番パー5で約4メートルのバーディーパットを沈め、前半最終ホールで首位の小祝に並んだ。

後半最初の10番パー4で一気に抜け出した。第2打を約1・5メートルにつけてバーディーとし、このホールでボギーとした小祝に一気に2打差をつけ、単独首位に立った。15番パー5もバーディー。17番で小祝に1打差まで迫られたが逃げ切った。優勝が決まるとグリーン上では涙をぬぐった。

「いずれメジャーを取りたい思いが強かった。ルーキーシーズンに2勝は夢みたい。実感はない。もう1勝目指して、明日から努力したい」

神谷は2回目の挑戦となった昨年のプロテストでトップ合格。4月のフジサンケイ・レディースでツアー初優勝。その後8月までトップ10入りは1回、予選落ち5回と低迷していた。8月のNEC軽井沢72は菅沼菜々とのプレーオフに敗れたが、優勝以来の最高位となる2位に入った。前週も8位と調子を上げていた。

今大会各選手が猛暑などの影響で芝が枯れ、砂が浮き出た状態のグリーン上で苦しんだ。神谷も第3ラウンドを終えて「よく頑張ったなと思います。今日も。打っても思ったように転がってくれなくて切れることが多かったので、怒らないことを意識した。入らなかったらもうしょうがないっていう感じで」と話していた。

第3ラウンド(R)中、熱中症とみられる頭痛に悩まされた。7月末の楽天スーパーレディースで熱中症のため、第3R開始前に棄権。その後遺症とみられる症状に苦しんだ。「1回熱中症になってから、ちょっと暑いだけですぐ頭が痛くなったり。今日も結構頭が痛くなって。何とか持ちこたえたかなという感じでしたが、頭がガンガン痛いです」と明かしていた。最終ラウンドを前に「目の前の1打に集中した上で結果がついてきたらいいなと。まだ欲は出ていないです」と淡々と意気込んでいた。

同じ03年度生まれ「ダイヤモンド世代」の川崎が前回大会でツアー初Vを挙げた。若いダイヤモンド世代が2年連続で大会を制するなど、国内女子ツアーは若手の台頭が続いている。