さらに「アップデート」した自分を示す-。

男子ゴルフ国内ツアー初戦、東建ホームメイトカップ(三重・東建多度CC名古屋)開幕を翌々日に控えた26日、2シーズンぶりのツアー勝利を目指す石川遼(32=CASIO)が意気込みを語った。

オフにフィジカルを強化し、たくましくなった身体で新たなシーズンに臨む。予選ラウンド(R)は前年覇者の今平周吾、昨季賞金ランキング2位の蝉川泰果と同組で回る。前年賞金王の中島啓太は今季、欧州ツアーを主戦場とするため今大会に出場しない。

前日から降り続いた冷たい雨が、夕方にようやく止んだ。一転、春の日射しを受けながら、石川は「試合を楽しみにしてきた」と初日を待ちわびた。

オフに約3カ月間、フィジカルトレーニングに励んできた。体重に大きな変化はないと話すものの、腕回りや胸板がボリュームアップしたようにも映る。前年までと比べ、特に上半身の強化に時間を割いてきた。

「去年よりアップデートした自分を、自分自身に見せたい。去年よりもよくなっていると、自分が感じられる年にしたい」

開幕独特の不安や緊張はあると認めつつも、コースに出れば冷静に対処するイメージはできている。「与えられている状態で最善の選択を取りたい」。ベストの結果を狙うのではなく、最善手を求めることが肝要と説明した。

昨季はシーズン未勝利に終わったが「めっちゃいいシーズンだった」と振り返る。その上で、ZOZOチャンピオンシップや日本シリーズでは内容に満足できなかったとし「去年のシーズンの借りを、去年に返せなかった。今年、返さないと」と誓う。

1年前の、この開幕戦。首位タイで最終日を迎えたが、今年の予選Rで同組となった今平に逆転を許して3位に終わった。18年には2位に入るなど開幕戦5位以内は4回あるが、白星発進はまだない。とはいえ、今年こそ-との強い思いを抱いているわけでは、決してない。「開幕戦の成績がその年を物語るかと言えば経験上、そうではない。ふたを開けてみてのお楽しみ、という感じですかね」。泰然と構え、プロ17年目の初戦に臨む。【奥岡幹浩】