大会が開幕を迎え、3年ぶりの優勝に挑む松山英樹(32=)は1バーディー、5ボギーの4オーバー76で回り、トップと11打差の暫定75位と大きく出遅れた。

雷雨の影響で開始時間が2時間30分遅れて始まった夢の舞台。元世界ランキング1位のジャスティン・トーマス、21年2位のウィル・ザラトリス(ともに米国)と同組で、現地時間午後0時48分に1番からスタートすると、強風と突風に悩まされる1日となった。

3番のグリーン上では、構えた瞬間に強く吹いた風にスタンスを外す姿も。6番パー3の第1打が斜面を登り切らずに15メートルを残してボギーが先行すると、7番では第2打が右からの強風に翻弄(ほんろう)されてグリーン前のバンカーに捕まって2連続ボギー。流れをつかめずに前半は2オーバーで折り返した。

後半は11番からの難所「アーメンコーナー」の餌食となった。11番、12番こそアプローチでパーセーブしたが、13番パー5では第1打を右に大きく外して林の中で打ち込むと、思い切ってグリーン方向を狙った第2打が小川に落ちた。巻き返しを期した攻めのショットが裏目に出て、この日3つ目のボギーとなった。

翌日以降への巻き返しのきっかけをつかみたい終盤。待望のバーディーは16番パー3で奪った。ピンを狙った真っすぐなアイアンショットでピン奥約3メートルにつけると、これを沈めて2オーバーに戻した。だが、直後の17番でアプローチを寄せきれずにボギー、18番でも3パットで連続ボギーとして初日を終えた。

ホールアウト時点では7アンダーで暫定首位のブライソン・デシャンボー(米国)と11打差となった。

プレー後のインタビューでは「(風は)昨日から分かっていた。どういう風にアジャストしていこうかなと考えていたんですけど、なかなかセカンドショットでうまく対応できなかったなという感じです」と振り返った。グリーン上でも苦戦した事には「入れたいパットをことごとく外していた。もったいなかった。悪いパットはしていなかった。明日までにしっかり対応できるようにしたい」と言及。「明日で終わらないように頑張ります」と決勝ラウンドへ諦めずに巻き返しを図る。

8日に会場で登壇した公式記者会見では、「優勝から3年たったが、もう1度そこにいけるように日々努力している。今週そうなるとうれしい」と意気込みを語っていた。2月のジェネシス招待で2年ぶりに米ツアーを制し、7日が最終日だった前哨戦テキサス・オープンでは7位。休む間もなく同日夜にプライベートジェットでオーガスタ入りし、「試合勘もそのままでできるかなと思う部分と、連戦での疲労も当然ある」と構えていた。

初出場の久常涼(21)は78と崩れて暫定85位となった。