21年大会覇者の松山英樹(32=LEXUS)は1バーディー、5ボギーの76で回り、首位と11打差の4オーバー68位と大きく出遅れた。悪天候で開始が遅れ、突風が吹く悪条件に、パットの不振が重なった。

初出場の久常涼(SBSホールディングス)は6オーバーと苦戦し80位。日没サスペンデッドとなる中、ブライソン・デシャンボー(米国)が7アンダーで暫定トップ、5度優勝のタイガー・ウッズ(米国)は1オーバーの35位とした。

ボールがカップをわずかにそれた。最終18番のグリーンを囲んだパトロン(観客)から落胆の声が広がる。松山はそれ以上の消沈を感じていた。「心は痛んでいます」。ボギーフィニッシュに、肩を落とした。

90センチのパーパットを何度も仕切り直した。この日終始悩まされた強風が、最後まで牙をむいた。雷雨で2時間30分スタートが遅れ、雨で速さが変わったグリーンに対応できない。そこに突風が重なった。3番グリーンでも1度スタンスをほどき、バーディーチャンスを外した。パー3の6番で17メートルから3パットでボギー先行。2打目をバンカーに入れた7番は2メートル弱のパーパットを外した。

「そんなに悪いパットはしていなかった」が結果は伴わず、焦りも先行した。バーディーを欲しがった13番(パー5)は木立の中から強引に2オンを狙い、ボールはグリーン手前の小川に消えてボギーに。

「昨日から分かっていた」という7メートル以上の強風に最後まで適応できずに、第1ラウンドでは13度の出場で2番目に悪い76をたたき、首位と11打差。初日を終えて最大差を逆転したのは90年のファルドと05年のウッズの7打差。3年ぶりの優勝は極めて厳しく、予選通過も危うい。

「第2ラウンドで終わらないように」。プレー後の取材の最後に誓うと、練習場へ向かった。午後6時過ぎからパッティング、打撃練習場で1時間。心の痛みを和らげるように、自分を信じるように打ち込む姿があった。