3位から出た21歳の竹田麗央(ヤマエグループHD)が3バーディー、1ボギーの70で回り、通算7アンダーの209でツアー初優勝を果たした。

21年11月にプロテスト合格。地元熊本でのツアー64試合目で、悲願をつかんだ。2打差の2位は鶴岡果恋、鈴木愛、イ・ミニョン(韓国)。通算4アンダーの5位に山下美夢有ら5人が並んだ。前日首位の岩井明愛は77と崩れて10位だった。

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無欲が呼び込んだ初勝利だった。最終18番。短いウイニングパットを沈めた竹田は「これまで気合が入りすぎて思うようなプレーができなかった。今日は優勝のことを考えずにできたのがうれしい」と、喜ぶ顔に涙はなかった。

ツアー参戦3年目の今季は、ここまで6試合で10位以内が4度。優勝争いにも絡んできた。前々週のヤマハレディースオープン葛城では、最終日を首位で迎えながら、1打差の2位。そこで流した涙が自らに徹する強さを生んだ。この日も競り合いの中でパットが決まらないホールが続いたが「特に感情はなかった」と最後まで冷静さを失わなかった。

最大のピンチは15番。グリーン右奥からのバンカーショットをミスし、グリーンをオーバー。約10ヤードのアプローチをチップインしてパーで切り抜けた。「ボギーで上がることだけを考えた。入って、(優勝も)いけると思った」とうなずいた。

会場で見守った元賞金女王で叔母の平瀬真由美は「すぐに勝って勘違いするより、たくさん悔しい思いをした方が強くなれると思っていた」と話した。ちょうど8年前に熊本地震が発生した日に、小学生から観戦していた大会で初優勝。いろいろな縁と巡り合わせの中で大器が飛躍への1歩を踏み出した。

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