プロ5年目の佐久間朱莉(22=大東建託)が、悲願の年間女王に輝いた。唯一逆転の可能性があった神谷そら(22)が予選落ちに終わり、今週末と最終戦の結果を待たずに、佐久間の年間ポイント1位が決定。67で回って通算10アンダーの132で首位を守った佐久間は、今季5勝目へ前進し自身のタイトルに花を添えるつもりだ。66のペ・ソンウ(韓国)が1打差の2位につけた。
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6バーディー、2ボギーの67で回り、首位を守ってホールアウトした佐久間は、観客から「おめでとう」の声が届き、自身の年間女王決定に気付いた。
直後のインタビューで「まだ実感は湧かないが、本当にうれしい。まさか自分が取れるとは…」と答えると、涙がにじんできた。
今季の平均ストロークは唯一の60台(69・9)を誇る。155センチと小柄ながら正確なショット、パッティングを武器に、バーディー数430もトップ。年間トップ10も首位の18回を数える抜群の安定感。試合を通じ、大きなミスが極めて少ないのも特長だ。
その心技体の土台は、日本男子ツアー通算94勝のレジェンド、尾崎将司(78)の下で学んだ。
「私のゴルフ人生を変えてくれた、ジャンボさんに年間女王の報告にいきたい」
埼玉・川越市立名細(なぐわし)中3年時、14歳のアマチュアで出場した17年日本女子オープン選手権(千葉・我孫子GC)に87位で予選落ちしたが、同じ組で回った原英莉花との縁で“ジャンボ軍団”の一員になり、今がある。
昨季まで未勝利が続いた22歳は「今年は勝てたらいいな、今年こそ勝てたらいいなとシーズンに入った」と不安もあったが、4月のKKT杯バンテリン・レディースでツアー初優勝を飾ると、自信がついた。
「少しでも早く年間女王を決めたかった。5勝目のチャンスが今、目の前にあるので、そこに集中していいプレーがしたい」
この2年は全英女子オープンに挑戦したが、米女子ツアーへの挑戦はあくまでスポット参戦が基本。日本最強女王への道を、さらに極めていくつもりだ。
◆年間女王とは 年間獲得賞金額トップの「賞金女王」は、22年以降は米女子ツアーにならい、年間ポイント(メルセデス)ランキングによって決める「年間女王」の称号に変更。各試合の順位に応じたポイントを選手に配分し、1年を通じた総合的な活躍を評価する。1位選手は年間最優秀選手賞とツアー4年間のシード権が付与される。
◆年少年間女王(年齢は女王決定時) 1988年以降、賞金女王時代も含めて最年少の戴冠は、22年の山下美夢有(21歳103日)。2位は07年上田桃子(21歳156日)、3位は24年竹田麗央(21歳222日)。22歳345日の佐久間は6位にあたる。
◆佐久間朱莉(さくま・しゅり)2002年(平14)12月11日、埼玉・川越市生まれ。埼玉平成高入学前の18年3月、尾崎将司が設立の「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー」入門(同じ1期生に西郷真央)。21年6月に初挑戦のプロテストにトップ合格。同年11月の下部ツアー京都レディースでプロ初勝利。25年4月KKT杯バンテリン・レディースでツアー初優勝、ブリヂストン・レディースで初の完全優勝、6月アース・モンダミンカップで3勝目、10月マスターズGCレディースで4勝目。得意クラブは8番アイアン。父浩太郎さんが試合に同行し、コーチ役も担う。155センチ。
○…神谷がポイントで佐久間を逆転するには残り2戦で連続優勝する必要があったが、17番でダブルボギーをたたくなど精彩を欠いて予選落ち。ただ、優勝した場合でも佐久間が一定のポイントを上積みすれば年間女王に決まる状況でもあった。「他の人の順位で変わるので気にしていない」と悔しさは表に出さなかった。

