日本が主戦場の桑木志帆(23=大和ハウス工業)が、日本女子7人目(8度目)となる海外メジャー初優勝を飾った。3打差の2位から出て3バーディー、2ボギーの70で回り、通算5アンダーの279で並んだエスター・ヘンゼライト(ドイツ)とのプレーオフを制した。この大会は19年渋野日向子、25年山下美夢有に続く日本勢3人目の優勝で、その特典で来季の米女子ツアー参戦が事実上決まった。
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20歳の渋野がメジャー初優勝という快挙を遂げてから7年。同じ岡山市出身で当時は岡山理大付の高校2年生だった桑木が、23歳になり、同じ大会でツアー初勝利となるメジャー優勝を遂げた。5大メジャー7試合目の挑戦だった。
ジュニア時代から親交のある渋野を「お姉ちゃんみたい」と慕う。今大会にもともに出場し、激励を受けた。この日は、3打差を追う展開からパリ五輪銀メダルのヘンゼライトをプレーオフ(PO)で下し、「信じられない。いい意味で気負わずにプレーできた。自分を信じてプレーした結果」と、涙ぐんだ。
リンクスコース特有の強風にも、174個のバンカーが配置された世界屈指の難コースにも、得意のショットが味方をしてくれた。4日間平均でフェアウェーキープ率、パーオン率ともに約80%。
PO1ホール(H)目で深いラフに打ち込んだが、起死回生のスーパーアプローチで勝負を決める2H目へとつないだ。「こっち(海外)では飛ぶ方ではないが、ショットの正確性には自信がある」と胸を張る。
「スマイリングシンデレラ」と呼ばれた天然キャラの渋野とは違う、少し控えめな笑みがまぶしい。一方でピンクのネイル、金髪やピアス、長い付けまつげ、ゴルフボールは黄色という派手好き。「日本では派手な方だと思うが、自分のやりたいことをやるのが信念」と自己流を貫く。
これで描いていたシナリオが、最高の形で結実へと向かう。日本ツアーの年間女王へは、この優勝で日本の3日間大会優勝の4倍にあたるポイントを手に入れ、現在1位のまま独走態勢に入った。
渋野もプレーする米女子ツアーにも、予選会に出場せずにメンバー登録が可能となり、登録すれば5年のシードが与えられる特典は来季から行使する。「日本の年間女王を取り、来季は米女子ツアーへ」という悲願は達成できそうだ。
大会史上最高の約2億4000万円の優勝賞金を獲得し「お酒が好きなので、いっぱい飲みたい」と笑ったが、「自分も日向子ちゃんを見て育った。ジュニアの子たちが、私みたいになりたいと思ってくれたら」という目は真剣だった。
◆桑木志帆(くわき・しほ)2003年(平15)1月29日、岡山市生まれ。4歳でゴルフを始め、岡山理大付から倉敷芸術科学大在学中。18歳の21年6月のプロテストに佐久間朱莉らと合格。24年は初勝利を含めて国内メジャーのツアー選手権リコー杯など3勝。25年は未勝利も、26年は宮里藍サントリー・レディースなど2勝、同年は全米女子オープン14位などメジャー4試合で全て予選通過。趣味は音楽鑑賞、お笑い。163センチ。
○…桑木は表彰式で「熊本では大きな地震がありました。一日も早い復興を願っています」とスピーチし、大きな拍手が起きた。英国まで直接応援に来てくれた父正利さん、母浩子さんについては、会見で「高齢なので、早いうちにいろいろな景色を見せてあげたいなと思っていた」と胸のうちを明かした。

