米女子ツアー2年目の山下美夢有(みゆう、25=花王)が、初日から単独首位を譲らない完全優勝で今季2勝目、通算4勝目を飾った。6バーディー、2ボギーの66で通算23アンダーに伸ばし、4日間大会のツアー最少スコア記録に並ぶ257をマーク。2位の吉田優利(26)に9打差をつける記録的圧勝だった。2年連続の複数優勝は、歴代1位の通算17勝を誇る岡本綾子(75)以来、日本女子2人目の快挙となった。

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カナダ西部のエドモントンの夕日に照らされ、山下は大きな優勝カップを掲げていた。

「今季2勝を挙げることができて、とてもうれしい。攻めるゴルフをしようと思っていたし、守りに入ることもなかった。リードしている中で、緊張もあったけどいいゴルフができた」

初日から3日間のフェアウェーキープ率、パーオン率の平均はともに約81%を誇った。第1打を狭いフェアウェーに運び、アプローチもピン1~2メートルへ確実につけた。

この日は前半2番パー3で、バンカーからのチップインバーディーでリズムに乗った。強風下でショットが乱れる場面はあったが、4日間で最少の24パットで補完。必然の流れでツアー最少スコア記録に並んだ。

「全英で悔しい思いをした後に、こういう形で優勝できてよかった。2週間、日本に帰ってしっかり調整もしたし、自信にもなった」

ルーキーイヤーの昨夏は、初優勝をメジャーの全英女子オープンで飾った。大会連覇を狙った今夏は、まさかの予選落ち。大粒の涙を流し、日本で父勝臣(まさおみ)さんと修正に取り組んだ。

年間約30試合の世界最高峰の舞台で、日本勢では世界の岡本綾子以来、2人目となる2年連続の複数優勝を挙げた。通算19勝のネリー・コルダ(米国)ら猛者と競いながら、150センチのリトルシンデレラは17試合でトップ10入りは9度、予選落ちは2度。極めて高い次元での安定感を誇る。

全米女子プロ協会の公式サイトでは、この日「小柄な日本人スター」と紹介された。英国、マレーシア、米国、カナダと、全て違う国で4つの勝利を重ねた25歳は「残りの試合も、優勝を目指して頑張る」。残り9戦となった今季、年間3勝目を挙げれば5勝をマークした10年の宮里藍以来となる。

○…エドモントンのノースサスカチワン川の湾曲部に位置する会場は、木々に囲まれた上に今夏の大量降雨で蚊が異常発生。プレー中に何度も刺された山下は「本当に虫が多かったが、それもゴルフなんで」と笑いとばしていた。

◆山下美夢有(やました・みゆう)2001年(平13)8月2日、大阪・寝屋川市生まれ。大阪桐蔭高3年時の19年プロテストに一発合格。21年ツアー初勝利、22、23年は年間女王に輝くなど通算13勝。24年パリ五輪4位。弟勝将(まさゆき、23)もプロで、アマチュアの妹蘭さん(18)は今秋から米国の大学に留学。150センチ、52キロ。

◆山下の打ち立てた主な記録 25年に続いて26年も年間2勝をマーク。米ツアーで2年連続の複数回優勝は、岡本綾子が86年から3年連続(計9勝)で挙げて以来、日本勢2人目の快挙。通算4勝は小林浩美(現日本女子プロ協会会長)に並ぶ歴代4位。42戦目での4勝は、岡本が持つ61戦を大幅に更新する日本女子最速記録。4日間のスコア257は18年ソーンベリークリーク・クラシックでの金世〓(火ヘンに英)(韓国)に並ぶツアー最少記録。9打差の優勝は従来の5打差を更新する大会記録。