<女子ゴルフ:ニチレイレディス>◇初日◇15日◇千葉・袖ケ浦CC新袖C(6548ヤード、パー72)◇賞金総額8000万円(優勝1440万円)

 小学校時代に体操競技で五輪強化選手に選ばれた経歴を持つ中村香織(25=フリー)が、5バーディー、2ボギーの69で回り、3アンダーとして首位と3打差11位で好発進した。腰のケガで体操での五輪出場は断たれたが、12歳から始めたゴルフで16年リオデジャネイロ五輪代表を夢見て、まずは日本ツアーで優勝を目指す。不動裕理(35)が6バーディーの66で回り、6アンダーで単独首位。新人の工藤遥加(19)は71とし、1アンダーの28位につけた。

 五輪イヤーに自然と気持ちは盛り上がった。中村は微妙な距離のパットを次々と決めた。前半10番は4メートル、続く11番は5メートル、17番は6メートルとバーディーパットを沈めた。後半は2ボギーをたたいたが、3アンダーで首位と3打差11位。6位に入った今月のリゾートトラストレディスからアイアンのシャフトを変え「そこから流れが良くなり、練習の成果が出るようになった」と笑みをこぼした。

 小学6年まで体操選手としてアテネ五輪を目指したジュニア強化選手に入っていた。段違い平行棒で全国制覇するほどの実力者だったが、練習過多で腰の骨が変形するけがを負って競技を断念。シングルの腕前を持つ父博さん(71)に導かれてゴルフを始めた。練習場だった滋賀・栗東体育館では08年北京五輪団体銀メダリスト中瀬卓也の後輩。「中瀬さんは尊敬する先輩。今でも体操はテレビで見てしまう」と、常に五輪への夢は胸にあり続けた。

 タイミング良く、16年リオ五輪でゴルフは正式競技となった。中村は「今後4年間かけて着実にやっていけば五輪も、と思います」と強く意識している。まずはツアー初Vを成し遂げ、夢を広げていく。【藤中栄二】

 ◆中村香織(なかむら・かおり)1986年(昭61)10月1日、京都市生まれ。4歳から体操をはじめ、全国大会では個人総合8位、段違い平行棒優勝、跳馬3位の実績。12歳からゴルフを始める。平安女学院高3年時に関西ジュニア優勝。立命大を1年で中退し、07年プロテスト合格。好きな体操選手は内村航平。家族は父博さん、母須美子さん(50)と京大医学部卒の弟祐也さん(24)。153センチ、50キロ。