【蘇州(中国)=高田文太】女子シングルス2回戦で伊藤美誠(14=スターツ)は、自身の3倍の年齢となる42歳のジャンファン・レイ(オーストラリア)に4-0と圧勝した。平野美宇(15=JOCエリートアカデミー)も勝ち、中学3年の「みうみま」がそろって3回戦に進出した。

 14歳6カ月8日の伊藤が若さで翻弄(ほんろう)した。相手は、12年ロンドン五輪にオーストラリア代表で出場した42歳の中国系選手。母美乃りさんより3つも年上だ。「試合になったら年齢は気にせずにやっているけれど、今とは違う戦術なのでやりづらかった。お母さんと戦型(タイプ)が一緒なので、昔にお母さんと一緒に練習した成果が出た。お母さんとやっている感じだった」と笑った。

 相手の老練なプレーに、序盤は戸惑いも見せた。伊藤と同じ14歳になる長男がおり、恰幅(かっぷく)の良い体形が目を引くレイだが、世界ランク上位選手と接戦を演じた経験もあるくせ者。「ビデオを見たけれど戦術を立てるのが難しかった」。後半は持ち味のフォアハンドなど、早い攻撃で左右に振って崩した。

 前日、平野美とのペアでメダルが期待されたダブルスは2回戦敗退。食事もままならないほど落ち込んだ。「何もする気がおきず、2人でぼーっとしていました。でもお風呂に入ったらスッキリして、美宇ちゃんより早く寝た。8時間くらい寝ちゃった」。会場入りする朝には、気持ちの切り替えは完璧だった。3回戦はU-21(21歳以下)世代の宿敵、陳思羽(台湾)と対戦。昨年のワールドツアーU-21部門で4戦全敗している。「負けるつもりでやりたい。あれ、それはおかしいか。負けてもともとという気持ちで頑張ります」。チャレンジャー精神で、思い切りの良いプレーを誓った。