女子200メートルバタフライは長谷川涼香(16)、同個人メドレーは今井月(15)と高校生の2人が初代表に選ばれた。
今井の瞳が最後のターンでライバルたちを捉えた。「2コースだったので、ブレ(平泳ぎ)のターンで全部見えました。死ぬ気でやりました」。
最後の自由形に15歳の若さをぶつけた。世界選手権銀メダルの渡部を抑え2位。自己ベスト2分11秒45を大幅に塗り替え2分10秒76。派遣標準を突破する世界ジュニア新記録だった。
「すごい夢みたいです」。美女スイマーは、大きな目を丸くして五輪初切符を喜び、池江が駆け寄ると通路の手すり越しに号泣する親友と抱き合った。「本当に行けたのかって…、実感はないです」。そして、家族について触れた。「オリンピックはずっと目標にしてきた、父と2人の夢、良かった」。
2008年8月15日、8歳の誕生日に、母リサさんを失った。隣で昼寝していた母の異変を感じ、父博美さんに「ママが大変」と知らせたが、不整脈の一種である心室細動で母は38歳で突然逝った。先月20日、父の元を離れ、岐阜から愛知・豊川高の寮に入った。その前にリサさんの墓前に墓参りをしていた。母へ五輪切符を誓い、成し遂げた。
まだ200メートル平泳ぎを残す。「気が楽に自分のレースができます」。そして言った。「明日へ切り替えたいんですけど、多分、今夜は眠れないです」。【井上真】


