バスケットボールBリーグの秋田ノーザンハピネッツは14日、新ヘッドコーチ(HC)に内定したジョゼップ・クラロス・カナルス氏(48)の就任会見を秋田市内で行った。メキシコの代表監督を歴任するなど、豊富な経験に白羽の矢を立てた。陽気なスペイン人で愛称は「ペップ」を熱望。1年でのB1復帰にかじを切った。

 「ペップ」と呼んでくれ! クラロスHCは熱狂的なハピネッツのブースター「クレイジーピンク」に対して、親しみのある愛称で呼ぶことを求めた。「秋田のブースターは日本中で知られていて、すごいと聞いている。いろんな国にいったが(私は)どこにいってもペップと呼ばれていたんだ」と、笑顔で自己紹介した。

 メキシコなどの代表監督や10カ国以上のチームでHCを務めてきた。16年3月から2カ月間は旧bjリーグの福岡でも指揮を執っており、日本にも慣れている。水野勇気社長(34)は「若い選手が多いので、能力を引き上げて戦ってくれる、経験豊富なコーチを招聘(しょうへい)した」と合意理由を明かした。

 師弟コンビ復活を熱望した。1月のオールスターに出場した安藤誓哉(24)を14年にカナダのチームで指導している。クラロスHCは「残ることでB1昇格を可能にしてくれる」と、安藤の残留を望んだ。昨季の戦いぶりは映像でチェック済みで「私のバスケは厳しく激しくというスタイル」と宣言。従来の堅守速攻を貫く「秋田らしさ」の継続を誓った。

 同じく「ペップ」の愛称で親しまれ、ともにバルセロナ出身の名将で現在はプレミアリーグ・マンチェスターCのグアルディオラ監督の別荘と自宅が近い。最寄りのコーヒーショップでは何度もすれ違ったという。カタルーニャ人特有の情熱的な采配で1年でのB1復帰が目標だ。「B2にいるのは一時的なこと。秋田がいるべきはB1のステージ」。ペップの振るタクトから、目が離せない。【高橋洋平】

 ◆ジョゼップ・クラロス・カナルス 1969年1月28日、スペイン・バルセロナ生まれ。93年にバルセロナ大卒業後、代表監督や各国チームのHCを歴任。10年から務めたメキシコ代表監督時代にはFIBAランクを72位から25位まで引き上げた。前任地はバーレーンのアル・マナマ。英語を始め6カ国語を操る。