NFLペイトリオッツのQBトム・ブレイディ(39)が、21日に東京・有明コロシアムで日本で初のクリニックを開催した。スーパーボウルを5度制して4度MVP、リーグMVPも2度のスーパースターとあって、約3800人の観衆も詰めかけた。高校、大学のQBに対して、QBの基本としてのスローイングとフットワークを指導した。

 クリニックは「ピカ一の選手がいれば米国に連れて帰る」と、リップサービスで始まった。自らも何度も実践して見せて「正確性と素早いスローが大事」と説いた。「プロになるとは思わなかった」と振り返り、今あるのは「自分を信じてやり続けること。ハードワーク、腹をくくることに献身の3つが大事」と語りかけた。

 同伴してきた長男ジャック君をWRにTDパスを投げて見せ、小学生とのパスの籠入れコンテストでは3投目に成功させて大喜び。野球で12歳の時以来27年ぶりの来日を楽しんでいた。「遠い国でもフットボールを愛してくれていてうれしい。日本人も能力を持っていて、NFL選手が誕生すると願っている」と笑顔。8月には40歳になるが「愛しているフットボールを続けて最高の選手になりたい」と引退はまだまだ頭にないようだった。

 指導を受けた法大4年の馬島は「中学からやってきたが、人生の中で一番いい経験になった」と感激しきりだった。IBMのWR栗原はブレイディが「本気でいく」と言ったパスを2回レシーブした。「2回だけでもよかった。スパイラルもすごく、スピードある。それでいて軽くて捕りやすい。まだ本気じゃないでしょうけど。オーラもあって人もいい」と目を輝かせていた。