最終セットに入ると「また、新幹線、少し動き始めた」。鈍行から快速にスピードを上げ、最後は5本目のマッチポイントで、14年ベスト8の強豪を仕留めた。勝利の儀式はいつものように四方の観客にペコリ、ペコリとお辞儀。最後は手を振って声援にこたえた。

 テーラー・コーチは毎回、試合前に自身のスマホからアドバイスのメールを送る。この日は「相手はパワーがない。球が遅いから、十分に引きつけて打て」。言葉どおりためをつくった「新幹線」ショットがさく裂した。

 次戦は、大坂があこがれてきたウィリアムズ姉妹の姉、ビーナスが相手だ。「姉妹がいなかったら、テニスやってなかったかも」。ただ、どちらかというと「ビーナスも好きだけど、セリーナが私にとってのNO・1」。日本女子は過去にビーナスと27度対戦し、勝ったのは16年BNPパリバ・オープン2回戦の奈良の1度だけだ。大坂も今年1月のASBクラシックで対戦するチャンスがあったが、ビーナスが棄権した。「彼女の一番好きな芝で対戦できるのは最高」。日本が誇る「新幹線」が、再び突っ走る。【吉松忠弘】