男子のブルボンウォーターポロクラブ柏崎(ブルボンKZ)が9-4で日体大を下し、5年ぶり2度目の優勝に王手をかけた。主将の筈井(はずい)翔太(31)が3得点、リオデジャネイロ五輪の日本代表主将を務めた志水祐介(29)が4得点と活躍。9月に悪性リンパ腫で亡くなったクラブ創設者の広川俊男氏(享年68)の遺影をプールサイドに掲げ、今日8日の決勝で弔いの優勝に挑む。

 広川氏の遺影はプールサイドでほほ笑んでいた。ブルボンKZは第1ピリオドに筈井のシュートで先制。第2ピリオドで立て続けに4点を奪い、一気に日体大を引き離した。失点を最小限にしようと守備重視で臨んだ一戦で9-4。4年連続の決勝進出に、筈井は「まあまあかな」と合格点を出した。

 先月4日、07年から13年まで新潟産大の学長を務め、「水球のまち柏崎」の礎を築いた刈羽村出身の広川氏が亡くなった。10年に元日本代表主将でブルボンKZのGMを務める青柳勧氏(37)を呼び寄せ、チーム立ち上げに携わった恩人に、メンバーは就職など大事な局面で支えられてきた。志水は「チームができたのは広川さんのおかげ。この大会も見てもらいたかった」と言い、筈井は「お父さんのような大きな存在だった。感謝しかない。今年こそ優勝したい」と唇をかみしめて言った。

 今日8日の決勝では、日本代表を6人擁するKingfisher74と4年連続の対戦だ。全日体大時代も合わせて4連覇中の宿敵との対戦に志水は「気持ちは広川さんと一緒に戦っている」。天国に優勝を届けるべく決戦に臨む。【戸田月菜】