ブラジルGP予選でマクラーレン・ホンダはフェルナンド・アロンソが7位に入る好走を見せた。

 ダウンフォースを削って臨んだ10日のフリー走行ではマシンバランスが不安定で思うような走りができなかったが、11日の予選に向けてウイングを立てダウンフォースを増したことでマシンのフィーリングは格段に改善。アロンソはトップから1・295秒差のタイムで7位となり、予選5位のダニエル・リカルドがパワーユニット交換による10グリッド降格ペナルティーを科されているため、決勝は今季最上位の6番グリッドから臨むこととなった。

 「昨日はマシンバランスが良くなくてあまり良いフィーリングではなかったけど、今日は何らかの理由でいつも通りの調子が戻って来たんだ。明日は6番グリッドからスタートできるからポイント獲得の良いチャンスだね。途中でバイザーに雨粒が着いたりしてトリッキーだったけど、マシンのグリップ感は高かったし今週もとても良い予選だったよ」

 10日は最高速がライバルとほとんど差のない時速325キロまで伸びていたマクラーレン・ホンダだったが、これはダウンフォースを削ったセットアップをトライしたため。しかしコーナーでの感覚が思わしくなく、11日に向けてはダウンフォースを増やしたため最下位の時速316キロまで低下してしまった。

 ホンダの長谷川祐介F1総責任者は次のように説明する。

 「それが1周を最も速く走るための答えであって、これ以上軽くしたからといって速くなるわけではないですし別に悪いことではないんですけど、(最高速が遅いと)レースで抜けないし抜かれるということを考えると…、フェルナンド自身も言っていましたがダウンフォースを付け過ぎたかもしれません」

 12日の決勝では、自力に勝るレッドブルのリカルドや、予選でクラッシュしピットスタートとなったルイス・ハミルトンの追い上げは想定の範囲内で、彼らとやり合うよりも中団グループで前にいるフォースインディアやすぐ背後にいるルノー勢としっかりと戦いたいとアロンソは語る。

 「リカルドとハミルトンはすごい速さで後ろから追い付いてくるだろうから、彼らにはあまり気を取られることなく自分たちのレースに集中したい。残りの入賞圏の席を手にできるように、やれる限りのことをやりたいと思っているよ」

 最高速の遅さは、前走車のスリップストリームに入りDRSを使うことでカバーできる。12番グリッドからスタートするストフェル・バンドーンも含めて、2台そろっての入賞を目指すと長谷川総責任者は語る。

 「ロングランのペースは悪くないので、ペースだけを見れば中団勢と戦えない理由はないと思っていますし、ダブル入賞も十分に狙えると思います」

(米家峰起通信員)