男子66キロ級の世界王者、阿部一二三(20=日体大)が2連覇を達成し、「単独武者修行」プランを掲げた。

 決勝は延長の末、大内刈りで一本勝ちを収めて、2連覇を達成。試合後、報道陣の取材に応じ「1人で外国へ行って柔道選手としての幅を広げたい。欧州とかを回って、英語を勉強しながら現地の道場で稽古したい」と話した。今年の世界王者は、今大会を優勝すれば、来年9月の世界選手権(アゼルバイジャン)代表に内定し、阿部は代表権を獲得した。世界選手権までは9カ月の調整期間があるため、武者修行も十分可能となる。

 単独武者修行は過去に男子100キロ級の羽賀龍之介、同73キロ級の海老沼匡らが敢行。現地での生活や稽古相手も自分で探し、肉体的精神的にも強くなる狙いがある。

 今年1年は「負けなし」だった。有言実行出来たのは自分の成長と捉えて、「阿部一二三が世界で一番、66キロ級で強いということが証明出来た」と満足げに振り返った。この日は、女子52キロ級の妹、詩(うた、17)も初優勝して、兄妹で頂点に立った。「圧倒的な強さ」を求める世界王者は、この日ばかりは試合内容から「妹の方が『圧倒的』だったかもしれない」と苦笑いしていた。