ショートプログラム(SP)2位発進の宇野昌磨(19=トヨタ自動車)がわずか0・50点差に泣いた。フリー184・50点の1位だったが、合計286・01点の2位。286・51点で優勝したネーサン・チェン(米国)に屈し、地元名古屋でのGPファイナル初優勝を逃した。

 惜敗の原因に挙げたのは、中盤で2本続いた4回転トーループ。冒頭の4回転ループで転倒しても「別にいい」と意に介さなかったが、「練習で9割ぐらい跳べる」という4回転トーループはいずれも着氷時にバランスを崩し「簡単に跳べるからこそ、いろいろ考えてしまう」と頭をかいた。

 7日のSPでは、前戦のフランス杯後に編曲した影響で、タイムオーバーとなる痛恨のミス。この1点減点も、一夜明けて優勝を逃した差につながった。それでも宇野は「いつも出だしが遅いのに、音楽に反応しちゃって、早く動きだしてしまった」とタイムオーバーの原因をあらためて分析。「0・5点差、マイナス1点で順位が変わってしまった。順位は僕の責任。タイムオーバーも僕のせい。(編曲をしたコーチの樋口)先生じゃなく、僕を責めてほしい」と言い切った。

 次戦は21日開幕の全日本選手権(東京)で、18年平昌(ピョンチャン)五輪切符をかけた戦いになる。世界トップクラスの実力を持ち、初の五輪には近い場所にいるが「全日本選手権は一番、僕にとっても大事な試合。ベストを出したい」と気持ちを引き締め直した。