帝京長岡(新潟)は明成(宮城)に56-65で負け、初の決勝進出を逃した。4強入りは昨年と同じ成績だった。後半は相手の激しいプレスにリズムを崩され、45-43のリードで迎えた第4クオーター(Q)にゲームをひっくり返された。きょう29日に行われる3位決定戦の相手は、昨年の準決勝で2度にわたる延長の末、敗れている福岡第一。雪辱する。

 立ち上がりの勢いは、時間の経過とともにしぼんでいった。35-28で迎えた第3Qは、相手の厳しいプレスにスコアの伸びがピタリ、止まった。同Qは開始から4分41秒間、リングが鳴らない。最初の1点はマリ人留学生のCティレラ・タヒロウ(3年)が放ったフリースローだった。最終Qの残り3分50秒には、SF五十嵐平主将(3年)が5ファウル退場。ファウルの多さも少しずつ、メンバーの手足を縛った。

 第1Qの10分間だけで11得点し、チームのダイナモの役目を果たしたPG祝(ほうり)俊成(3年)は言う。「相手のマークがきつくてフラストレーションがたまった。1人抜いても、また1人がすぐきた」。相手が仕掛けるタイトなディフェンスはボディーブローのように味方に効いた。柴田勲監督(48)も「じわじわとプレッシャーをかけられ、終盤は足が止まった」と言った。

 目標だった高校日本一を逃がして、昨年と同じ4強で止まった。「(帝京長岡が)一番、悔しい思いをしているチーム」と祝は話していたが、悔しさをエネルギーにして挑んだ準決勝は明成に決勝進出を阻まれた。過去の全国大会は2大会連続で準決勝の延長戦負け。昨年の準決勝は福岡第一に2度の延長を演じながら力尽き、78-89で敗れた。きょう29日の3位決定戦の相手は、その難敵・福岡第一だ。祝は、準決勝敗退の悔しさをのみ込んで言った。「これで終わったわけではない。いい形で幕を引きたい」。昨年のリベンジへ、3位決定戦は絶好の舞台になる。【涌井幹雄】