社会人王者富士通が、37-9で日大を下し、2年連続3度目の日本一に輝いた。

 富士通は第1QにQBコービー・キャメロン(27=米ルイジアナ工科大)からRBゴードンへのTDパスで先制。WR中村へのTDパスなどでリードを広げた。試合時間残り15秒に日大にTD1本を返されたが、危なげない勝利を飾った。MVPにはキャメロンが2年連続で選ばれた。

 過去のライスボウルで日大が4戦、富士通が2戦ともに負けなしで注目されていたが、富士通が全勝を守った。

 【第1クオーター】

 コイントスに勝った日大がレシーブを選択。RB由井がリターンし、自陣21ヤード地点からの攻撃となった。

 最初のシリーズ、日大はRB宋のランで7ヤード進むと、次はQB林大からWR林裕へのパスでファーストダウンを獲得した。さらに林大のキープランで自陣36ヤードまで前進。しかし、次の由井のランでは2ヤードロスしてしまう。さらに林大は富士通LBニクソンのタックルに遭い、パスは不成功。次はパントとなった。

 代わった富士通はWR猪熊がリターンし、自陣23ヤードからの攻撃。しかし、QBキャメロンのロングパスは不成功、その後の攻撃も続かず、スリーアンドアウト。P吉田のパントとなり、攻撃権は日大に代わった。

 自陣36ヤードから、日大はQB林大がロングパスを試みるも不成功。続くRB宋のランで4ヤード進んだが、RB由井のランは2ヤード止まり。こちらもスリーアンドアウトで、攻撃権は富士通に移った。

 富士通はRBゴードンが走り、7ヤード進むと、キャメロンからWR中村へのパスでファーストダウンを獲得した。そしてTE水野へのパスの後、キャメロン自身が走り、前進したかに見えたが、ホールディングの反則で10ヤード罰退した。さらにキャメロンからゴードンへのパスは4ヤードのロス、WR強へのロングパスも不成功に終わった。

 富士通のパントは日大WR林裕がフェアキャッチ。自陣14ヤードから攻撃となり、QB林大から林裕へのパスで6ヤード前進した。そして、RBウィリアムスのランでファーストダウンを獲得した。さらにウィリアムスが走って自陣40ヤードまで進み、ファーストダウンを更新。そして、RB由井のランなどで前進を図るも、ファーストダウン更新には至らなかった。

 日大P楠井のパントは18ヤード地点でアウトオブバウンズ。同地点からの攻撃権を得た富士通は、QBキャメロンからWR宜本への13ヤードパスでファーストダウンを獲得した。続くQBキャメロンからWR猪熊へのパスはビデオ判定の結果、4ヤードロスしてのファンブルリカバーの判定。しかし、ここで富士通は、キャメロンからWR中村への連続パス(24ヤードと45ヤード)でゴール前4ヤードに迫ると、13分33秒、キャメロンからRBゴードンへのTDパスが成功、K西村のPATキックも決まり、富士通が7点を先制した。

 日大はWR林裕がキックオフリターンし、自陣38ヤードからの攻撃となった。QB林大のパスが不成功、RB川上のランが2ヤードロス、RB宋のランも2ヤード止まりとなると、日大はパントフォーメーション。ここで第1クオーターが終了した。

 【第2クオーター】

 富士通はWR猪熊がパントリターンし、敵陣49ヤードからの攻撃。すると、開始26秒、いきなりキャメロンから中村へのTDパスが決まった。K西村のPATキックも成功し、富士通が14-0とした。

 日大はRBウィリアムスがリターンし、自陣34ヤードからの攻撃。QB林大からRB川上へのパスは2ヤードロスも、林大がキープランで5ヤード前進した。しかし、続くパスは不成功。日大はパントとなり、攻撃権は富士通に代わった。

 富士通の攻撃は自陣19ヤードから。QBキャメロンからTE水野へのパスでファーストダウンを獲得した。そして、強へのパスの後、QBが平本に交代。自身のランでファーストダウンを更新すると、RB金のランなどでまたファーストダウンを更新した。そして、QBがキャメロンに代わると、またもやWR中村へのTDパスが決まったかに見えた。しかし、ビデオ判定の結果、レシーバーの足がエンドゾーンから出ているとされ、NG。富士通はキックを選択し、4分50秒、K西村が41ヤードFGを成功させた。

 日大の攻撃は自陣22ヤードから。3ヤードロス後、QB林大がスクランブルで12ヤード前進した。そして、RB中野のランでファーストダウンを自陣40ヤード地点で獲得した。さらに林大からRB宋への3ヤードパスなど前進を目指すも、ファーストダウン更新には至らない。そして、パントフォーメーションからWR小倉のパスというスペシャルプレーで攻撃権維持を図るが、失敗に終わった。

 代わった富士通の敵陣43ヤードからの攻撃は、日大DL宮川泰のQBサックで12ヤードロス。この後、QBキャメロンからTE水野へのTDパスが決まったかに見えたが、背後へのブロックで富士通は10ヤード罰退してしまう。するとキャメロンは自身のキープランで20ヤード前進、そして、第4ダウンギャンブルのパスを試みるが失敗してしまう。

 自陣41ヤードから日大は、WR林裕の35ヤードランで敵陣24ヤードまで大きく前進。QB林大からWR小倉へのTDパスは惜しくも不成功となるが、K篠原が13分31秒、35ヤードFGを決め、3点を返した。

 富士通はWR中村がリターンし、自陣41ヤードからの攻撃。すると、QBキャメロンからWR中村へのパスでファーストダウンを獲得した。しかし、その後はキャメロンが日大DBブロンソンにタックルされ、12ヤードロスしてしまう。ここで、富士通はタイムアウト。次のプレーで富士通がホールディングの反則を犯したところで、前半が終了した。

 【第3クオーター】

 富士通のレシーブで試合再開。WR中村がリターンし、自陣21ヤードからの攻撃となった。ここからRBゴードンが8ヤード前進。さらにゴードンが8ヤード走ってファーストダウンを獲得した。そして、QBキャメロンから宜本への25ヤードパスでファーストダウンを更新すると、1分47秒、QBキャメロンからWR強へ37ヤードTDパスが決まった。そして、PATキックではフォルススタートで5ヤード下がったが、K西村が落ちついて成功させた。

 日大の攻撃は自陣24ヤードから。ここでQB林大はRB川上のランを選択するが、3ヤードロスしてしまう。しかし、その直後にビッグプレーが飛び出す、林大からWR福島へ49ヤードパスが決まり、敵陣30ヤードまで進んだ。さらに2ヤード進むと、RBウィリアムスの7ヤードランの後、林大の第4ダウンギャンブルランで同15ヤードまで侵入した。そして、フォルススタートで5ヤード罰退後、QB林大からパスを受けた林裕がTDパスを狙うスペシャルプレーを見せたが、エンドゾーンで富士通DBアディヤミにインターセプトされてしまう。

 自陣17ヤードで攻撃権を得た富士通は、RBゴードンの連続ランで敵陣44ヤードへ。さらにQBキャメロンからWR中村へのパスで33ヤード地点まで進むと、またもゴードンの連続ランでレッドゾーンへ侵入した。そして、9分12秒、K西村が31ヤードのFGを成功させ、富士通が27-3とした。

 日大の攻撃は自陣33ヤードから。ここでQB林大が富士通LB鈴木にタックルされ、3ヤードロスしてしまう。さらにフォルススタートで5ヤード罰退。すると林大が今度は富士通DL平井にタックルされてしまう。

 日大のパントとなり、富士通は敵陣43ヤードからの攻撃に。RBゴードンのランが1ヤードで止まると、続くキャメロンのパスはDB柴田にインターセプトされてしまう。柴田は敵陣42ヤードまでリターン。さらにRBウィリアムスのランで4ヤード進んだ。そして、QB林大からWR林裕へのパスが不成功、林大のランも3ヤードに止まると、日大は第4ダウンギャンブル。RB由井の17ヤードランで敵陣18ヤードまで侵入した。さらにWR林裕へのパスで4ヤード進んだところで、第3Qが終わった。

 【第4クオーター】

 敵陣14ヤードから日大は、QB林大が7ヤードのキープランでファーストダウンを獲得した。ゴール前7ヤードから林大はWR林裕へTDパスを狙うが、富士通DB藤田がカット。続く林裕へのパスも不成功、RB宋のランもTDには至らない。さらに日大は第4ダウンギャンブルでTDを狙うが、失敗に終わってしまう。

 富士通の自陣7ヤードからの攻撃に代わり、QBは平本が登場。RBゴードンの4連続ランでファーストダウンを2回獲得した。そして、自陣41ヤードからゴードンがまた走った後、平本がキープラン。8ヤード進むと、平本からWR中村へのロングパスでゴール前13ヤードに迫った。すると4分44秒、RBゴードンのTDランが決まった。K西村のPATキックも決まり、富士通が34-3として、ほぼ勝負を決めた。

 日大の攻撃は自陣31ヤードから。するとQB林大からWR林裕への16ヤードパスでファーストダウンを獲得した。しかし、RB中野のランの後、日大は第4ダウンギャンブルに失敗。富士通の攻撃に代わった。

 自陣44ヤードから富士通はRB高口の連続ランで4ヤード進むと、QB平本がスクランブルランでファーストダウンを獲得した。そして、敵陣44ヤードから高口のラン、WR森へのパスで前進を図るが、ファーストダウンは更新出来ない。

 残り試合時間4分14秒から日大の攻撃。しかし、QB林大のパスは富士通LB高崎にインターセプトされてしまう。

 敵陣22ヤードで攻撃権を得た富士通。QBは高木が登場し、前進を図るが、ファーストダウンは獲得できない。ここで富士通はK納所が登場。残り時間2分43秒、32ヤードFGを成功させ、富士通が37-3と、さらにリードを広げた。

 日大は自陣16ヤードからの攻撃。一矢報いたいが、残り2分19秒でQB林大が負傷退場してしまう。QBは室井に交代。するとWR小倉、林裕へのパスでファーストダウンを獲得した。日大はさらにファーストダウンを2度更新。そして、残り53秒から最後まであきらめないプレーを続けた。最後は敵陣9ヤードまで前進。すると、残り15秒、QB室井からWR小倉へ初のTDが決まった。PATはパスを狙ったが不成功。得点は富士通の37-9となった。

 富士通は攻撃権を得ると時計を進め、試合終了。2年連続3度目の日本一の座を獲得した。