新潟アルビレックスBBのポイントガード(PG)五十嵐圭(37)が通算2000アシストを達成した。残り3個で試合に臨み、第1クオーター(Q)で2個マークして王手。第2Q、センター(C)ダバンテ・ガードナー(26)へのパスで記録を達成した。試合は横浜ビー・コルセアーズに81-86で敗れたが、五十嵐はこの試合7アシストと、チームの追い上げを促した。

 記念の2000アシスト目は、PG五十嵐がチームメートに活を入れるプレーからだった。

 26-41と大量リードを許した第2Qの残り47秒、パワーフォワード(PF)ラモント・ハミルトン(33)のブロックショットのこぼれ球を拾い、右サイドから一気にドリブルで駆け上がった。「ガード陣がプッシュしなければならなかった」。そのままレイアップに行くとみせかけて、追走してきたCガードナーにパス。五十嵐は勢い余ってリング下のコート外に転がり込んだ。

 ガードナーはシュートを外したが、ファウルをもらってフリースロー。その1本目を成功させたことで、五十嵐のアシストが成立した。フリースローでのアシスト成立は今季から適用されたリーグ規則。「あれが記録になったのは知らなかった」と五十嵐。もちろん個人記録は頭になかった。「速攻から得点できていなかった」。チームに足りない部分を自らが示そうとした。その結果の2000アシストだった。

 試合は5点差の敗北。一見接戦だが、第1Qで17点差をつけられ、リードする場面のない劣勢だった。その第1Qで五十嵐は2アシスト。大台に王手をかけた。いずれもスモールフォワード(SF)遥天翼(29)の得点につなげるキラーパスで、この試合の新潟の初得点を、自らの3点シュートで決めた後だった。「自分が得点して相手守備が集中したら、隙ができる」。最終的に両チーム最多の計7アシスト。劣勢の中でも仕事をした。

 背中で見せた分、チームメートに対して厳しい言葉が出る。「自分たちの立場はいいポジションではない。もっと危機感を持たなければ」。記録の達成感はない。白星につなげられなかった悔しさが上回った。【斎藤慎一郎】