中地区5位の新潟アルビレックスBBは東地区首位のアルバルク東京に延長の末、99-92で勝った。昨年10月10日のアウェー戦に続いての連続延長勝ちだった。先発のルーキーSG/SF今村佳太(22)が初の2桁得点となる自己最多の18得点で大暴れした。54-55の第3クオーター(Q)終盤には3点シュートを含む連続5得点。77-78の第4Q途中には相手ボールを奪って得点につなげる口火を切った。貴重な場面で得点に絡み、勝利の立役者になった。

 立ち上がりのファーストショットを決めると、今村は乗った。5-2の場面で放った3点シュートがリングに収まると、第1Qは8得点。わずか10分で自己最多得点に並んだ。「最初の1本が入ると、流れよくいけるタイプ」と、18得点を積み重ねた。「2桁得点をずっと目標にやってきた」。プレー時間35分44秒もルーキーにとって未経験の長さだった。

 庄司和広監督(43)は「実力で奪った35分間」と、今村の長時間起用を当然の口ぶりで話した。指揮官には新人が爆発する予感があった。「今週の練習からシュートが入っていた」と言う。そんな今村を「思い切ってシュートを打ち、楽しみながらやれ」とコートに送り出した。練習がオフの日も体育館に通ってシューティングを繰り返してきた陰の努力が結実した形。もともと、得点力の高いプレーヤーで、プロリーグでも十分戦えるレベルの高さを証明した。

 新潟はDFをマンツーマンとゾーンを併用した。マンツーマンでは、日本代表SG田中大貴(26)とマッチアップした。「ドライブの強さ。アタックの強さは参考になる。吸収したい」。1度、相手ドライブに対してファウルを取られたが「ファウルでしか止められなかった」と話した。2522人の観客は新潟の守備時に大声でディフェンス・コール。今村は「(観客を含めて)オール新潟で勝った試合」と言った。

 今村は新潟経営大の4年生。17日に迎える卒業式は、三遠とのアウェー戦で出席できない。バスケットだけに集中だ。「今日が自分のスタートライン。中心選手としていたいから、コンスタントに2桁得点したい」。今季途中加入で、39試合消化した現在、22試合に出場。今村のプロ生活は始まったばかりだ。【涌井幹雄】