平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)銅メダルLS北見の藤沢五月(26)とSC軽井沢クの山口剛史(33)組が、初優勝した。準決勝で清水徹と組んだ吉田知と「五輪メダリスト対決」。同点の7エンド(E)に山口が「そだねー」を解禁。藤沢の緊張がほぐれて10-7で勝利。決勝はチーム平田に9-2で圧勝し、結成11日目で頂点に立った。「フジヤマ」ペアは世界選手権(4月21日開幕、スウェーデン)に出場。日本協会は4人制との「二刀流」夢プランの後押しを検討する。

 突拍子もなく、野太い声が響いた。「そだねー」。同点に追いつかれた直後の7E。「緊張で顔がこわばっていた」という藤沢は33歳の既婚者山口が今大会初めて発した「キラーワード」で噴き出した。藤沢は小鼻をぴくぴくさせた山口のブラシに向かって、最後の石を投じた。一挙に4点を奪って勝利を決定づけた。

 藤沢 山口さんに声をかけてもらって、いい雰囲気にしてもらいました。

 山口 (藤沢が)いつもの顔をしてなかったので、かけ声だけを借りました。

 筋骨隆々の男がLS北見が使う「キープ、スマイル」を2度ささやいた。最後は満を持して「そだねー」を解禁。決勝は「そだねー」を使わずにチーム平田に9-2で初優勝を飾った。

 今大会は4人制の女子世界選手権と日程が重なった。22年北京五輪を見据え、柳強化部長は「選手の要望があれば、ですが、二刀流ができる日程を検討することはあります」。「フジヤマ」が4年後、北京のアイスに立っている可能性もゼロではない。【益田一弘】