昨年の悔しさを晴らす-。柔道の世界選手権(9月、アゼルバイジャン)男子90キロ級代表の長沢憲大(24=パーク24)が猛アピールした。

 19日、東京・多摩市の国士舘大での男子強化合宿に参加し「このチャンスをものにして世界選手権で優勝する。90キロ級は負けると序列がすぐに変わる。今年が勝負です」と気合を入れた。

 昨年の世界選手権は「優勝を狙える選手がいない」との判断で、個人戦の派遣が見送られた。長沢は男女混合団体で出場し、金メダルに貢献したが「個人代表になりたいという思いがすごくあった。東京五輪を目指す上で、早く『90キロ級に長沢がいる』ということを広めて、ここで一気に突き抜けないといけない」。同階級は現在、長沢とリオデジャネイロ五輪金メダルのベイカー茉秋(23=日本中央競馬会)、グランドスラム・パリ大会優勝の向翔一郎(22=ALSOK)の三つどもえの争いだ。

 8日の全日本選抜体重別選手権決勝では右肩手術から復帰したベイカーに勝利したが「(ベイカーは)完全復帰ではない。ここからもっと強くなるし、この勝ちは意識していない」。9月の本番に向けて、得意の組み手を生かした一発逆転出来る“新技”を考案中だ。「20年に向けた戦いは始まっている。結果が全て。着実に力をつけて、目の前の試合を1つずつ勝ち続けたい」と力を込めた。