アメリカンフットボールの定期戦での悪質な反則行為で関西学院大の選手を負傷させた日本大の選手が22日に東京都内で記者会見することになった。日大選手の代理人が21日、発表した。関係者によると、選手は内田正人前監督(19日付で辞任届受理)とコーチの指示に従って危険なタックルをしたと説明する予定で、日大や内田前監督のこれまでの主張と大きく食い違う形になる。

 この選手は6日の試合で、パスを投じた後で無防備だった関学大クオーターバックに背後から激しくタックルした。内田前監督は19日に引責辞任を表明したが、危険なタックルを指示したか否かについては言及を避けた。日大広報部は、内田前監督が学内の調査に「違反をしろと言っていない」と述べたと明らかにしており、15日付の関学大への回答書では「指導と選手の受け取り方に乖離(かいり)が起きたことが問題の本質」とした。詳細な経緯などは24日をめどに再回答する。

 負傷した関学大選手の父親で大阪市議の奥野康俊さんは21日、大阪市内で記者会見し、大阪府警に被害届を提出した理由について、日大の内田前監督の説明で「真実を聞くことができなかった」と説明した。

 奥野さんは「加害者がなぜあそこまで追い込まれたのか。監督の会見で一言いただきたかった」と話した。日大の対応次第では、告訴する意向も示し、被害届の加害行為の対象は選手だけで、前監督らは入れていないことも明らかにした。

 この問題は今後、警視庁が捜査する見通し。反則行為は映像で記録されており、前監督らによる指示の有無が焦点になる。

 また、日大は原因究明のため、第三者委員会の設置を発表した。