静岡県袋井市とアイルランドオリンピック委員会は18日、2020年東京オリンピック(五輪)の事前キャンプ地内定の覚書締結式を、都内のアイルランド大使公邸で行った。

川勝平太静岡県知事、ポール・カヴァナ・アイルランド大使の立ち合いのもと、アイルランドオリンピック委員会のピーター・シェラードCEOと袋井市の原田英之市長が、東京五輪開幕2週間前から終了前までの約1か月間、袋井市内をベースキャンプにすることで同意した。

陸上を中心に選手は約50~60人で、多い時期はスタッフを含む約100人が同市内に滞在する予定だ。会場は同市のエコパスタジアム、エコパアリーナのほか、20年4月に開業する市総合体育館などが想定されている。シェラードCEOは「自然が多く、食事もおいしい素晴らしい環境の中で、選手がリラックスして集中できると判断して袋井市を選んだ。今後、未来永劫(えいごう)残るレガシーを静岡県、袋井市とつくっていきたい」と話した。

袋井市では19年ラグビーW杯の日本対アイルランド戦がエコパスタジアムで行われることが決まっており、これを契機に五輪の事前キャンプも招致したいと考えていた。アイルランドも数回にわたる視察をへて、東京からの距離、環境も含めた総合的な面から同市を選んだ。原田市長は「スポーツ交流のみならず、市民にあまり知られないアイルランドの文化も今後積極的に学び交流を深めたい」と期待を込めた。

静岡県内ではすでに10を超える自治体で事前キャンプが決定している。今回初めて調印式に立ち会った川勝知事は「アイルランドは心優しく、日本人の心のひだに触れる国民性。学校交流なども含め子供たちのためになるようなことができたら」と交流が深まることに期待を寄せていた。