来夏、東京がオリンピック(五輪)ムードに包まれる。2020東京大会組織委員会は2日、本番に向けたテストイベントの日程を公表。33競技で約50大会が行われる予定で、この日は陸上マラソンのグランドチャンピオンシップ(19年9月15日)など16イベントが発表された。機運盛り上げの「プレ大会」ではなく、準備のための「テスト大会」。それでも本番会場を使った競技が、1年後に迫る本番への期待を高めることになる。

2年後に迫った東京五輪に向けて、いよいよ準備が本格化する。この日、発表になったテストイベントは16。すでに、9月初めには「第1号」としてセーリングのワールドカップ(W杯)が江の島で行われた。組織委員会から延べ381人が参加。本番に向けてのテストが行われた。

テストイベントの目的は3つある。1つ目は「競技エリアに関するテスト」。競技設備や備品のチェック、運営などがテストされる。次は「テクノロジー」で、計測や結果速報などをチェック。最後は「スタッフのトレーニング」。運営スタッフの連携など実際の大会に合わせて確認する。

五輪前年は「プレ大会」として各競技の国際大会が行われ、大会ムードを盛り上げるのが通例。しかし、この日発表されたのは「テストのためのイベント」。大会準備が最優先で、機運を高める目的はない。組織委員会主催大会は国際大会になる場合もあるが、国内選手だけで無観客の可能性もある。「プレ大会」とはいえ地味さは否めない。

もっとも、陸上マラソンの東京五輪代表選考会となる「グランドチャンピオンシップ」やトライアスロンの五輪出場権がかかる「予選大会」、卓球のチームW杯などビッグゲームも予定される。この日は発表されなかったが、8月末の柔道世界選手権も「テストイベント」として行われる。

さらに、組織委主催のテストイベントはシリーズ化して行う予定。18年平昌冬季五輪の「ハロー平昌」、16年リオデジャネイロ五輪の「Aquece(熱くなれ)リオ」は、シリーズとして行われ、市民も高揚した。本番に向けた地道な準備。それでも、身近に動きがあれば東京五輪は実感できる。11月末には第2弾が発表され、年明けに約50大会が出そろう予定。あと3カ月、いよいよ「プレ五輪イヤー」が幕を開ける。

◆64年東京五輪のプレ大会 アジアで初の五輪を成功に導くため、機運醸成と運営テストを兼ねたプレ大会として「東京国際スポーツ大会」が行われた。10月11日から6日間、海外からの選手も参加して陸上や体操、レスリングなどが五輪主会場の東京・国立競技場などで行われた。