B1中地区首位の新潟アルビレックスBBは今日27日の第30節、同2位川崎ブレイブサンダースと初のチャンピオンシップ(CS)進出をかけホームのアオーレ長岡で対戦する。新潟が勝つか、負けても他チームの結果次第でCS進出が決まる。大一番にもPG五十嵐圭(38)はチームを引き締めてこれまで通り「一戦必勝」を貫く。CS進出は通過点。地区初優勝を引き寄せるため、現在3ゲーム差の川崎をたたく。
五十嵐はリラックスした表情だった。「(CSが)決まるかもという意識はない。60試合のうちの1つです」。繰り返してきた言葉を改めて口にした。26日の前日練習はフォーメーションの確認と軽めのメニュー。練習後は1時間ほどマッサージを受け体をほぐした。
前節のアウェー大阪戦(23、24日)から中2日。24日の深夜にバスで7時間かけ新潟に移動したため、25日はオフだったが、疲労が取り切れたわけではない。それも「もう慣れました」とさらりと流した。
今季貫いているのは「目の前の試合に勝つこと」。首位を守り続けても、連勝を重ねてもぶれはない。川崎戦も同じだ。ただ勝利の先に見えてくるものは感じている。「直接勝てばゲーム差は広がる。優勝するためには大きい」。勝てばCSはついてくる。大きな目標が近づく。「目の前の1勝」は重要になる。
試合感覚は研ぎ澄まされた。前節大阪戦は2試合とも激しいプレッシャーをかけられた。それでも2試合で計17アシスト。相手が得点を封じにきても、空いた味方に出すパスは止められない。「日程が詰まるとハードな練習ができない。試合の中できついプレッシャーを経験できたことは良かった」。実戦の中で磨き上げた。
「こういう状況で試合ができることがうれしい」とも言う。Bリーグ開幕の16年から新潟に所属。1年目は残留が目標、2年目はシーズン終盤でCS進出を逃した。そして今季。「チームの成長を感じる」。川崎戦、成長を形で表現する1勝を全力でつかみにいく。【斎藤慎一郎】
◆CS進出の条件 東、中、西の各地区上位2チームと、その6チームを除いた全体12チームの中から勝率1、2位が獲得する「ワイルドカード」の2チームを合わせ、8チームが進出する。新潟が第30節川崎戦で勝てば、ワイルドカード2位以内が決定。敗れた場合でもワイルドカードの2位を争う名古屋Dと三河がそろって敗れれば新潟の進出が決まる。また新潟が勝ち、中地区3位富山が敗れた場合は新潟の中地区2位以内でのCS進出が決まる。