日本体操協会の塚原千恵子女子強化本部長(71)が30日、都内で開催された「女性スポーツ勉強会」に参加した。リオデジャネイロ五輪代表の宮川紗江(19=高須クリニック)をめぐる指導問題で、パワーハラスメントはなかったと第三者委員会の報告で結論づけられた昨年末以降、初めて公の場に姿を見せた。
「女子体操指導の歴史と難しさ」と題した講演では冒頭、「(昨年)12月10日に第三者委員会があり、その3カ月、夫婦でレストランに行っても、あの人たちだ、と言われる。世間から悪者扱い。シロという判定が出るまでは3カ月間大変な生活をしていた。3、4日間家にいて、買い物にはいけない。玄関にはパパラッチがいて出掛けられないとか、そんな生活をしておりました」と切り出した。続けて、現在の協会の役職は3月末で退任するため、「7カ月間しゃべったことなかったけど、最後と思って出てきました」と登壇の理由を説明した。
「体操協会を牛耳っている」などと言われたことも自ら否定し、「途中12年間協会を離れておりました。その時が一番楽しかったと話したことはありましたけど、五輪、成績を背負い、自分が監督していくのは、ちょっと悪いと非難されますし、落とすと大変な攻撃をされます」と振り返った。
約20分の講演の最後には「真摯(しんし)に反省しまして」と述べ、息子の直也さんが総監督となった朝日生命体操クラブで、若年層の「8人の選手に基本を教えております。毎日指導しています。昨日も(夫が)中学校の息子にムーンサルトを指導してました。その姿を見て、牛耳っているとか言われているけど、本来はこの姿こそが私たちの姿であると思って」と心境を明かした。
騒動では、宮川が暴力指導問題に関して速見コーチと引き離す行為があった、言うことを聞けば優遇され聞かなければ排除される暴力があったなどと主張。第三者委員会は「引き離し行為は認められない」、昨年7月に智恵子氏、夫の光男副会長が宮川から速見コーチからの暴力行為を聞き取りした際の行動も、「配慮に欠け不適切な点が多々あったとはいえ、悪性度の高い否定的な評価に値する行為であるとまでは客観的に認められない」とされていた。なお、塚原氏は3月末の任期満了で女子強化本部長を退任する。
<騒動経緯>
8月15日 宮川に暴力を振るった速見コーチに対し、日本体操協会が無期限登録抹消などの処分を発表
29日 宮川が記者会見し、速見コーチからの暴力はパワハラと感じていないと説明。塚原千恵子女子強化本部長と塚原光男副会長からパワハラを受けていたと主張
30日 協会が第三者委員会の設置を決定
31日 速見コーチが指導者としての地位保全を求める仮処分の申し立てを取り下げ、処分を受け入れる考えを表明
同 塚原夫妻が文書で宮川選手の主張の一部を否定。不適切な言動や落ち度が一部であったことは認める
9月5日 速見コーチ謝罪会見
10日 協会は第三者委の調査結果を受け、理事会の判断が出るまで塚原夫妻を一時職務停止に
12月10日 第三者委はパワハラ行為を認定せず、協会が臨時理事会で塚原夫妻の一時職務停止を解除


