レスリング女子で五輪4連覇の伊調馨(34=ALSOK)が22日、16年リオデジャネイロ五輪以来となる国際大会、アジア選手権(23日開幕、中国・西安)へ出発した。羽田空港では「10個も宿題あるんですよ、できるかなあ」と首をかしげておどけて見せた。 指導を仰ぐ田南部力氏が今回は帯同しないため、課題が出されたという。試合中の腰の安定感やスタンド(立ち姿勢)からグラウンド(寝技)への流れなど、減量も含めた調整面など多岐に及ぶ。

リオ大会時とは、階級も変わり(58キロ→57キロ)、試合日程も1日から2日間開催に。減量方法も自ずと変わる。「ベースは変わらない」としながらも、貴重な海外大会の好機に試していく。試合でも昨年の57キロ級世界選手権覇者の栄寧寧(中国)らがそろう。「アジアは世界でも上位の選手が多い。いろいろな選手と戦いたい」と海外選手との実戦感覚を養い直す。

6月には世界選手権代表選考会となる全日本選抜選手権も控える。昨年末の全日本選手権決勝で勝利したリオ五輪63キロ級金メダリストの川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)との再戦も予想される。リードを持って迎える初夏の決戦への試金石ともなる大会。「わくわくも不安もあり、半々です」。1つ1つを満点回答して、東京五輪へとつなげていく。