米プロバスケットボールNBAのドラフトが20日(日本時間21日)に行われ、八村塁(21=ゴンザガ大)がウィザーズから1巡目、全体9位で指名された。日本人がNBAで1巡目指名を受けるのは、史上初の歴史的快挙。しかも、スーパースター候補生がそろう中で1ケタ台と高評価を受けた。

  ◇   ◇   ◇  

双子のけんかが、八村を成長させた。富山・奥田中2年で初めてU-14日本代表に選ばれ、そこでのちに角界で活躍する貴ノ富士、貴源治の双子と出会った。その後、2人が所属する茨城・境一中と対戦。試合中にけんかをしながらもコートに入れば息が合い、楽しんでプレーする姿を目の当たりにした。坂本コーチは「ほら、相手を見てみろ。けんかしてるけど、コートに入ったら雰囲気良くなるやん」。

一方で八村はミスに嫌な顔をしたり、負けたことを人のせいにしていた。坂本コーチから「お前の言い方は違う。何様だ」と注意され、その後も厳しい指導を受けた。恩師の教えを守り、高校でも仲間のミスを責めず、声を出してチームを鼓舞するようになった。ゴンザガ大でも決して自分のことを自慢しない。チームのことを最優先にプレーする八村の原点には角界で活躍する2人の存在があった。