【バーゼル(スイス)=松熊洋介】女子ダブルス世界ランキング2位の高橋礼華(29)松友美佐紀(27=日本ユニシス)組が、2時間6分の熱戦の末、同7位の李茵暉、杜■組(中国)に25-23、18-21、23-25で敗れ、準決勝進出はならなかった。

試合後、高橋は疲労から1人で立てなくなり、囲み取材をキャンセル。1人で現れた松友は目に涙を浮かべながら「悔しいですけど…」と話したあと言葉に詰まった。

第1ゲームから40分を超える大熱戦。相手の強打を何度も拾う姿に観客も自然と拍手を送るようになった。第2ゲームは終盤に逆転を許し、2度のチャレンジも失敗となるなど、運にも見放され、相手に流れを渡し、接戦で落としてタイに持ち込まれた。

75分を経過し、始まった第3ゲーム。松友は「あそこまでいったら、もうお互いに攻める戦いしかなかった」。すでに約2試合分の時間を戦っていた両チーム4選手は疲労困憊(こんぱい)の中、力を振り絞って戦った。隣のコートの試合が終わり、会場全体が4人のプレーに一喜一憂した。中国選手は足がつり、松友は両足のアイシングでそれぞれプレーを中断しながらも戦い続けた。1プレーごとに誰かが倒れ込み起き上がれないほど。終盤になるにつれて、4人の疲労とは逆に会場のボルテージは最高潮に達した。互角の戦いは2時間後、わずかな差で中国に軍配が上がった。

最後に松友は「世界選手権で久しぶりにいい試合ができた。中国ペアも過去最高のプレーをしたと思う」と相手をたたえた。なかなか勝てなかった世界選手権で目標だった8強に進んだ。松友は「そんな簡単にすぐ勝てるようになはならない。またしっかり練習して強くなりたいと思う」。敗れはしたが、2時間の死闘を戦い抜いた2人は、東京五輪出場へ向け、成長するため、また次の大会へ歩み始める。

※■は王ヘンに月