東京五輪で初めて実施されるスポーツクライミングの出場基準の解釈を巡り、日本山岳・スポーツクライミング協会は1日、国際連盟をスポーツ仲裁裁判所(CAS)へ提訴したと発表した。国際連盟が今年10月に当初定めていた選考基準の解釈を変更したと主張。代表選考レースは継続中だが、新解釈によると、今年8月の世界選手権で男女各2人ずつの日本代表が確定し、他選手の五輪出場の機会が断たれる可能性がある。

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マラソンと競歩の札幌移転問題に続いて、スポーツクライミングも大混乱だ。都内で会見した日本協会の合田雄治郎常務理事は怒りをあらわにした。「このような事態になってしまったことは極めて遺憾。五輪を目指す選手の出場機会が断たれることのないように最大限の努力をしたい」。

10月に国際連盟から日本協会へ届いた文書に代表選考基準の解釈の変更があったという。1カ国・地域に与えられる出場枠が「男女最大2人以内に限る」となっていた。当初、日本協会は出場枠最大2人に対して、複数の選考大会で出場枠を得た「最大5人」から2人を選出できると判断。枠を獲得した選手は来年5月の複合ジャパンカップで争い、最上位選手を選出することを決めていた。

しかし、新解釈によると、五輪代表に内定している男子の楢崎智亜と女子の野口啓代の他、世界選手権男子4位の原田海と女子5位の野中生萌も事実上の内定となった。選考大会である今月末の五輪予選(フランス)とアジア選手権で出場枠を目指す選手たちが、五輪出場の機会を奪われる可能性が出てきた。国際連盟と協議を重ねてきたが折り合わず、予選が終了する12月1日までに結論が必要のため提訴に踏み切った。

合田氏は「IOCの札幌でのマラソンのように我々も国際連盟に言われて『待つだけで良いのか』と内部で議論した。やはり、選手のためにやるべきと考えた。代理人の見込みでは『勝てる可能性はある』と聞いている。本来なら国際連盟に刃を向けることはやりたくないが、見過ごせない」と意図を説明した。

会見前には、代表入りを目指す選手の所属マネジメント会社に非公開で経緯を説明した。急きょの招集で、都合がつかず、集まることのできなかった選手たちには後日、状況報告する。