春先の休養から復帰した萩野公介(25=ブリヂストン)が、1カ月間で合計24レースを泳ぎ切った。レース感覚を養うために、10月20日の新潟スプリントから4大会に出場。この日は200メートル個人メドレーで瀬戸大也(25=ANA)と対決。予選は2分2秒20で同組4着、決勝は1分59秒35で2位だった。前日23日の400メートル個人メドレーに続いてライバル瀬戸に敗れたが、数多くのレースをこなした。

萩野は、9月の茨城国体で日本代表候補入り基準タイムにアタック。しかし春先に休養をとった影響から精彩を欠いた。当初予定していた米高地合宿を取りやめて、国内で連戦をこなしてレース感覚をとり戻すことを決断。50メートル種目で小学生との予選を本気で泳ぐなど、レースの雰囲気を肌で感じることを重視。11月10日の社会人選手権200メートル個人メドレーでは年内最後のチャンスとなったレースで日本代表候補入りを決めた。

今大会の400メートル個人メドレーでは今年1月以来10カ月ぶりに瀬戸と同じレースで対決した。世界選手権個人メドレー2冠のライバルに、決勝で6秒以上の差をつけられたが「すごく幸せだった。『ここからやるぞ』と思えた。この種目で勝ちたい、絶対にいつか勝つ、とあらためて思った日」と口にしている。

春先の休養は「練習の内容がレースに生かせない」ことが理由でもあった。萩野は、泳いで、泳いで、泳ぎまくって少しずつ復調した。平井コーチからは「心配すんな、死ぬほど練習させてやる」と言われているという。「僕は死ぬほど練習してつくってきたタイプ。試合にたくさんでて、レース慣れはできてきた。次はいい練習をしっかりしていく。まだまだ始まったばかり」と気持ちを高めている。