東京五輪(オリンピック)・パラリンピック開幕200日前となった6日、大会組織委員会は完成した大会ポスター20作品を初公開した。ポスターは国内外のアーティスト19組が手掛け、五輪をテーマにした12作品、パラリンピックをテーマにした8作品が制作された。
64年前回東京大会は亀倉雄策氏が手掛けた。
7日から2月16日まで、東京都現代美術館で「東京2020公式アートポスター展」を開催し、20作品がお披露目される。
<五輪12作品>
浦沢直樹氏「あなたの出番です。」
<コメント> これはオリンピックのために描きおろした漫画です。競技・人種・性別を超越した描き方に挑戦してみました。すべての人に出番があります。次はあなたの出番です。
大竹伸朗氏「スペース・キッカー」
<コメント> 1964年東京オリンピック時に通っていた小学校で「切り絵」を習ったことを思い出した。頭に浮かぶ妄想宇宙を「切り絵」で表現してみようと思った。
大原大次郎氏「動線」
<コメント> 本作では、ギリシャから継承された聖火を起点に東京2020オリンピック聖火リレーで紡がれる動線と、その結び目となる800を超える市区町村名を描いている。
金沢翔子氏「翔」
<コメント> アスリートの魂と大会を支える全ての人々の思いがここ東京から空高く羽ばたき世界中の人に届くことを願って。
鴻池朋子氏「Wild Things-Hachilympic」
<コメント> 人間は一匹の動物として一人一人全部違う身体を持ち、全て違う感覚で世界をとらえ、各々の環世界を通して世界を生きている。それらは一つとして同じものがない。同じ言葉もない。同じ光もない。オリンピックがそのことに腹をくくって誠実に取り組めば、小さな一匹にとって世界は官能に満ち、やがて新たな生態系が動きだす。
佐藤卓氏「五輪の雲」
<コメント> 世界から集まるアスリート達が、ひとりひとりの個性を持ちながら(多様性)競い合い(自己ベスト)、その総体が最終的に五輪という調和のとれた姿になることを期待した“未来”を、ここに表現しました。
野老朝氏「HARMONIZED CHEQUERED EMBLEM STUDY FOR TOKYO 2020 OLYMPIC GAMES 〔EVEN EDGED MATTERS COULD FORM HARMONIZED CIRCLE WITH “RULE”〕」
<コメント> 1964年に行われていたコンパスと定規に依る設計に敬意を表し、未来にはどのような技法で設計が行われているのかを想像し、2020年に生きる作家として次の世代以降に手渡すバトンをつくりました。
- 美術家の野老朝雄氏が手掛けたオリンピックをテーマにした作品「HARMONIZED CHEQUERED EMBLEM STUDY FOR TOKYO 2020 OLYMPIC GAMES 〔EVEN EDGED MATTERS COULD FORM HARMONIZED CIRCLE WITH “RULE”〕」@Tokyo2020
ホンマタカシ氏「東京の子供」
<コメント> オリンピックは選ばれた選手だけのモノではないと考えます。老人から大人、そして子供まで全国民のコトであり、希望であり、記憶に残るモノだという想いで制作しました。
テセウス・チャン氏「EXTREME REVELATIONS」
<コメント> 作品は三層で構成した。まず、反逆精神から発想を得たExtreme Revelation(危険な啓示)の層。次に、コンクリートやメタルなど、スケートボードというスポーツを連想させる素材の積層で、不確実性や暗闇、抑圧を表現。三層目はほとんど見えないが、数字や比喩的なグラフィックの謎めいた反転が、既存の秩序とは価値あるものなのかと問いかけている。
クリス・オフィリ氏「The Games People Play」
ヴィヴィアン・サッセン氏「Ludus」
<コメント> 遊び心があり、色彩豊かで、意義深い作品を作りたいと思いました。競技の喜びを描き出すことを意図していますが、他にも、オリンピックに参加する人々の文化や国籍の多様性を伝えたいと考えました。
フィリップ・ワイズベッカー氏「オリンピックスタジアム」
<コメント> 締め切りの期限が迫っていたのですが、特別にご無理をきいていただき、最初からやり直すことができました。開催地が日本ということもあり、和紙に描くことにしました。和紙は普段から作品制作によく使っています。そして手の赴くままに、オリンピックスタジアムの姿を描きました。
<パラリンピック8作品>
荒木飛呂彦氏「神奈川沖浪裏上空」
<コメント> 荒波のような雲。スポーツの神々が上空から日本へ舞い降りるイメージで描きました。葛飾北斎-「神奈川沖浪裏」の構図をモチーフに、富士山を何色に塗るか悩みましたが、ハチミツ色に塗りました。
柿沼康二氏「開」
<コメント> 何万もの漢字、また無限の言葉の中から何をモチーフにするべきか葛藤した結果、辿り着いたものが「開」の一文字でした。「全身全霊が宇宙に向かって無条件にぱーっとひらくこと。それが爆発だ。」芸術家・岡本太郎の創造への挑戦と哲学を示す言葉がこの作品の根底をなしています。
GOO CHOKI PAR「パラリンピアン」
<コメント> メインモチーフは「前に進む人」。大きく腕を振り、力いっぱい地面を蹴り上げる姿。プリミティブなその運動の造形は、より確かな未来を目指して、前に進もうとする全てのパラリンピアンたちの意志を表すものである。選手ひとりひとりが積み上げてきたもの。試行錯誤をし、進歩し続けてきた人類の歴史、その全てに敬意を表して。
新木友行氏「オフェンスNo.7」
<コメント> パラスポーツの素晴らしさや競技の力、選手たちの勇気を感じていただけることを心から願っています
野老朝雄氏「HARMONIZED CHEQUERED EMBLEM STUDY FOR TOKYO 2020 PARALYMPIC GAMES 〔EVEN EDGED MATTERS COULD FORM HARMONIZED CIRCLE WITH “RULE”〕」
<コメント> [個]としての矩形が幾何の[律]を伴い[群]を為す図。コンピューターの技術と手作業の混合によって成立しています。
- 美術家の野老朝雄氏が手掛けたパラリンピックをテーマにした作品「HARMONIZED CHEQUERED EMBLEM STUDY FOR TOKYO 2020 PARALYMPIC GAMES 〔EVEN EDGED MATTERS COULD FORM HARMONIZED CIRCLE WITH “RULE”〕」@Tokyo2020
蜷川実花氏「Higher than the Rainbow」
<コメント> パラアスリートはかっこいい。シンプルなその思いを込めて撮影した1枚。なにもない空間から作品が生まれるように、あらゆることを超えるはじまりは、なにげないところにある。
森千裕氏「カーブの向う」
<コメント> 棒グラフのようなビル街 内臓のようなジャンクション 歯肉のような踏み心地のする街 新ウルトラC誕生の陰で 小脳を脳ベラで押してみる カラフルなヌカルミ 温められた骨とビル風 空気のバネ 透明なカーブ
山口晃氏「馬からやヲ射る」
※コメントは一部抜粋