【メルボルン=吉松忠弘】2連覇を狙う世界4位の大坂なおみ(22=日清食品)が怒った。自分のミスに相手ベンチから声援が飛び、珍しくにらみつけた。次のポイントを奪うと、今度はガッツポーズを相手に向け「カモーン!」。怒りで闘志に火を付け、6-2、6-4のストレート勝ちにつなげた。「勝てて良かった。ラケットを投げたりして、ドラマチックな展開だったけど、ストレートで行きたかった」。

第1セットを奪ったが、第2セットから相手が、本領を発揮した。第1セットの正攻法のテニスから、第2セットは逆回転や緩い球を交ぜ、かく乱戦法に出た。これが相手の得意な作戦だった。

加えて、相手はベースラインから2メートル近くも下がっており、大坂がどんなに強打しても拾われる。大坂最大の武器のサーブは、この日、何とエースが0本。相手の返球を構える位置が、非常に下がっており、どんな強サーブにも触られた。

これに、大坂のいらいらがたまった。勝てる試合なのは分かっている。しかし、自分のサーブや強打が決まらないのが許せない。第2セット、1オールから自分のサービスゲームを落とした時は、ラケットを投げ、そのラケットを蹴飛ばし、ボールを投げ捨てた。

そして、飛び出したのが続く第4ゲーム。3点目で、大坂がバックをネットすると、相手の陣営席からか声援が飛んだ。ミスに明らかな声援を飛ばすのは、テニスではマナー違反。それに腹が立ったのか、大坂は何度もにらみつけた。

次のポイントを奪うと、その陣営に向けてガッツポーズを見せつけ、にらみつけた。大坂は、これまで自分に腹を立て、用具に当たることはあっても、あまり声援などに怒ったことはない。よほど、いらいらがたまっていたのと、腹に据えかねたのか。しかし、その怒りが勝ちを引き寄せた。3回戦では、天才少女で15歳のガウフ(米国)と対戦する。

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