ジェイテクトが、3連覇を狙うパナソニックを3-2で退け悲願の初優勝を飾った。感染拡大する新型コロナウイルスの影響で、無観客試合となった大一番。レギュラーシーズン日本人選手初となる得点王(645点)に輝いたジェイテクトの西田有志(20)が、持ち前のサーブや強打のスパイクでチーム最多36点の活躍。MVPに選ばれる活躍で初優勝に貢献した。

日本代表では主力として昨年ワールドカップ(W杯)では4位進出に貢献。東京オリンピック(五輪)では48年ぶりのメダル獲得を目指す。

   ◇   ◇   ◇

人生初の大きなタイトルに涙が流れる。20歳の若き日本代表エースの西田は初優勝が決まると、顔をゆがませながら仲間と抱き合った。「大きなタイトルを取るのは初。本当にこのチームで勝ちたかった」。新型コロナウイルスの影響で無観客試合となり、よく観戦に訪れるという両親は現地に来れなかった。「(両親は)支えてくれて、ありがとうと伝えたい」と感謝の言葉を口にした。

Vリーグ初の日本人得点王は、この日も左腕を振り抜きチームを引っ張った。第3セット20-20の場面では、サービスエースを決めた。2-2で迎えた最終セットでは3枚ブロックを打ち切る強さを見せた。チーム最多の36得点。3連覇へ粘る相手を振り切った。

姉らの影響で5歳の頃にバレーボールを始めた。三重・海星高時代は春高バレーの出場こそ、かなわなかったが、個人で国体に出場するなど、頭角を現した。2年前、男子は大学に進む選手が多い中、憧れの舞台だったVリーグのジェイテクトに入団。同年に日本代表にも選出された。

186センチと男子アタッカー選手の中では小柄だが、最高到達点344センチと国内トップクラスの飛躍力が武器。今や日本代表でも欠かせない存在だ。昨年のW杯では、ベストサーバーとベストオポジットにも選ばれ、28年ぶりの4位に貢献した。来月には東京五輪に向けた代表合宿も始まる予定。日本一に貢献した20歳の世界への戦いが始まる。【平山連】

◆西田有志(にしだ・ゆうじ)2000年(平12)年1月30日、三重県いなべ市生まれ。5歳の時に姉と兄の影響で、バレーボールを始める。三重・海星高を卒業後、ジェイテクトに入団。19年のW杯では日本代表の4位躍進に貢献し、大会のベストサーバーとベストオポジットにも選ばれた。最高到達点は344センチ。趣味は買い物とゴルフ。186センチ、82キロ。