バレーボールVリーグ2部(V2)のヴォレアス北海道が10日、新型コロナウイルスの影響で、14、15日に無観客で開催予定だった1部VC長野との入れ替え戦(大阪)が中止になったことを受けて、旭川市内で会見した。

チーム運営会社の池田憲士郎社長(33)、主将の元日本代表ウイングスパイカー古田史郎(32=函館大有斗)らが出席。神妙な面持ちで会見に臨んだ池田社長は第一声で「いち早い事態の収束と日常の回復を願っている」と新型コロナウイルスの感染拡大を憂慮。続けて「リーグの考えとしてリスクを避けるのは当然」と、Vリーグ機構の決定に理解を示した。その上で「夢と可能性をつぶさない可能性が別にあると考えます。リーグの皆さんと引き続き考えていきたい。私たちは諦めていません」と中止とした判断には再考を求めていく姿勢を強調した。

選手を代表して登壇した古田主将は「正直、選手としては整理がついていない。挑戦者として3年前から今に至るまでやってきた。今回こういう事態…。どこに向かっていけばいいのか…。どう答えて良いのかわからないのが本音」と苦しい胸の内を明かした。

新型コロナウイルス感染拡大を受けて、Vリーグ機構は2月28日の緊急理事会でV2リーグ戦の残り試合の打ち切りを決定。一方で、入れ替え戦は無観客で開催する方針を示していた。ただ開催地の大阪を含む近畿地区でも感染が広がっている状況を鑑みて、同理事会後も常務会などで慎重に議論を重ねていた。

ヴォレアス北海道は、16年10月に北海道の活性化を目的に、旭川市を拠点にプロチームとして誕生。17-18シーズンから当時のバレーボールV・チャレンジリーグ2(3部相当)に参戦。同シーズンで優勝を果たし、新リーグとなった翌18-19シーズンにはV3で優勝した。今季昇格したV2でも19勝1敗で入れ替え戦切符を獲得していた。

ヴォレアス北海道はリーグの判断を受け、9日には池田社長に加え、包括連携協定を結ぶ旭川市長、東川町長、鷹栖町長、比布町長との連名で入れ替え戦開催を求める緊急要望書を提出している。

◆緊急要望書の要望項目

[1]大会打ち切りを撤回し、19-20シーズンの入れ替え戦の延期

[2]開催時期を3月~5月を予定し、3月は無観客試合も想定する

[3]新型コロナウイルスの収束等、大会開催が可能になった場合は、入れ替え戦を開催する

[4][1]~[3]の対応が困難な場合は、ヴォレアス北海道をV1の11番目のチームとする特例措置を設ける