00年シドニーオリンピック(五輪)柔道男子100キロ級金メダルで、男子代表監督の井上康生氏(41)が6日、同五輪男子100キロ超級銀メダルの篠原信一氏(47)に幻滅した出来事を明かした。

男子60キロ級で五輪3大会連続金メダルの野村忠宏氏(45)のYouTubeチャンネル「野村道場」に出演。井上氏は01年全日本選手権決勝で「過去最強」と尊敬する篠原氏に旗判定で勝利し、初の全日本王者の称号を手にした。「残り30秒で自分が優勢で焦ったのか、篠原先輩が発した言葉が『(得意の)内股を掛けてこい!』だった。3度目の対戦で初めてこの人に勝てると思った試合で、あの言葉には幻滅、失望しました」。井上氏は笑いながら当時を振り返り、こう暴露した。表彰式でも「『何で内股を掛けてこないんだ!!』と何度も言われましたが、掛けるわけがない(笑い)。3連覇を狙っていた選手とは思えませんでした」と続けた。しかし、そんな過去がありながらも、勝負に対する執着心と練習量は「日本一だった」とフォローも加えた。

それを受け、内股透かしを得意とした篠原氏は「大学時代から超高校級だった康生に10、20回も内股をかけさせて、内股透かしを覚えた」と胸を張り、全日本選手権の発言については「勝負師で『勝負に勝ちたければ得意技で俺に勝て』という意味だった」と弁明。最後は新型コロナウイルスが収束後、自粛生活が続く子供たちのために「3人で全国47都道府県を回って、柔道指導しよう!」と呼び掛け、和気あいあいと80分のトークイベントを楽しんでいた。